日本消化器内視鏡学会雑誌
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経験
上部消化管内視鏡検査における低用量鎮静剤投与の効果
高橋 寛鵜川 邦夫加藤 薫林 裕子吉本 和仁石山 晃世志植木 信江倉岡 賢輔山本 頼正土田 知宏藤崎 順子五十嵐 正広藤田 力也
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2009 年 51 巻 10 号 p. 2739-2745

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抄録

上部内視鏡検査における低用量の鎮静剤投与の効果および安全性について後ろ向き検討した.
【対象および方法】鎮静剤としてミダゾラムを使用し,SpO2の低下,血圧・脈拍の変動,血圧・脈拍積および受診者の自覚症状について,ミダゾラムの量をA群:1.5mg/m2未満,B群:1.5mg/m2~2.0mg/m2,C群:2.0mg/m2以上,D群:非鎮静剤群にわけて検討した.
【結果】偶発症の発症に関して,SpO2,血圧および脈拍の変化に関して,ミダゾラムの投与量について検討した結果,それぞれの間に有意差は見られなかった.心拍血圧積の増加にも有意差はみられなかった.検査が楽であったか否かについての感想では,鎮静剤使用群で ‘楽’ と回答した受診者が,非鎮静群と比べて多く,有意差を認めた(p<.001).
【結語】鎮静剤の少量投与は,安全で楽な検査が施行できる鎮静方法であった.

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© 2009 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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