抄録
経皮内視鏡的胃瘻造設術において,スパイナル針を使用した低コストな胃壁固定法を考案した.胃壁腹壁固定には第2針刺入孔付きの第1針の過刺入を防ぐストッパーを装着したスパイナル針を使用した.手技の安定性の有無を明らかにするために,本法と鮒田式胃壁固定の施行時間の分散を比較した.本法による結紮総固定は31回施行したが,合併症は皆無であった.本法は鮒田式と比較して平均施行時間にして約50秒の差を認めたが,分散に有意差はなかった.本法は低コストで安全で,手技的に安定して施行でき,鮒田式胃壁固定法の代替固定法になり得る方法であると考えられた.