日本消化器内視鏡学会雑誌
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無症候壮年者に対する血清ペプシノゲン値を用いた胃癌検診;PG法の長期成績
三木 一正藤城 光弘小田島 慎也矢作 直久
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2010 年 52 巻 3 号 p. 450-454

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抄録

【目的】本邦では胃X線による胃癌検診が長年行われてきた.本研究の目的は,胃癌検診において血清ペプシノゲン(PG)値測定の有用性を明らかにすることである.
【方法】91~05年にPG値を測定した無症候壮年者を対象に,PG陽性(PG I≤70ng/mlかつPG I/II≤3)者は2年毎,PG陰性者は5年毎,内視鏡による2次精検を行った.
【結果】延べ101,892人(平均年齢48.7歳)にPG値測定を行い,22,987人(22.6%)が2次精検対象者となった.13,789人(65.1%)が実際に内視鏡受診し,125人に胃癌が発見された.これは,検診受診者全体の0.12%,内視鏡受診者の0.91% に相当した.発見胃癌のうち,早期胃癌は80%,分化型粘膜癌は39% を占めた.
【結論】PG値による胃癌検診;PG法は,良好な2次精検受診率,胃癌発見率を示し,特に早期胃癌割合の高い,極めて有用な検診法と考えられた.

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© 2010 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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