抄録
胆管狭窄に対する内視鏡的プラスチックステント留置術の有用性,安全性は確立しているが,閉塞率が高く,開存期間が短いという問題点がある.閉塞の原因として,十二指腸液の胆管への逆流に起因する胆泥の形成や食物残渣の付着があり,乳頭機能を温存し十二指腸液の胆管への逆流を防止するため,ステント下端が乳頭から出ないように胆管内に留置するInside stentが考案された.本邦では生体肝移植後の胆管狭窄や悪性胆管狭窄に用いられ,良好な成績が報告されている.Inside stentはmigrationの問題や抜去・交換時の煩雑さなど改善すべき点はあるもの,通常の留置法より逆行性感染のリスクが減り,開存期間の延長も期待できる.しかしながらInside stentが一般に普及するには,より簡便で安全性の高い専用デバイスの開発が不可欠であり,Inside stentの有用性と安全性について通常の留置法と前向きに比較する必要がある.