抄録
本研究は,市内公立保育所・こども園の全保育者に対し個別の支援に関する技術・知識の獲得のための単回の研修を実施し,その効果の検討を目的とした.あわせて,保育者のすでに獲得している/今後獲得すべき技術・知識を精査した.研修では,応用行動分析の枠組みを用いて保育場面をもとにした適切な行動の形成に関する内容を扱った.その結果,分析対象者 189 名分において技術と知識のいずれの評価も有意に上昇した.称賛や一斉保育のなかでの環境調整を行うことは保育者のすでに有している技術・知識であり,一方で子どもの個別性に応じたかかわりが課題であることが示された.また,研修後に実施した施設長を対象にしたアンケートでは,ケース会議の実施や情報共有の促進等,全保育者が同じ研修を受けたことによる施設内での肯定的な変化が報告された.今後,保育者の技術や知識のアセスメントに基づく介入の必要性が示唆された.