抄録
我が国のHIV感染者,AIDS発症者は依然として増加傾向であり,カポジ肉腫(KS)の診断,治療に関わる機会は増えている.われわれは当院で経験したHIV感染を合併した消化管KS症例の臨床像をretrospectiveに検討した.患者は全例男性で,食道から大腸の全消化管に赤~暗赤色を呈する表面平滑な粘膜下腫瘍様の隆起性病変を認めた.1例は消化管KSからHIV感染症が明らかとなった.liposomal doxorubicin投与と抗HIV療法を行い,内視鏡で確認できた全例でKSは縮小し,全例生存している.消化管KSはHIV感染症の診断の契機ともなり,内視鏡医は特徴的な内視鏡像を熟知するべきと考える.