2012 年 54 巻 10 号 p. 3442-3445
ERCP後膵炎は未だに原因が明確ではなく,様々な要因が考えられている.その要因については(1)患者の因子,(2)術者の因子,(3)手技自体の因子に大きく分けられると思われる.ERCP後膵炎を予防するのに(1)原因である因子をみつけてその因子を排除すること(2)その因子と思われるものに対し予防的な処置を行うことが挙げられる.その原因の一つと考えられているERCP後の十二指腸主乳頭の浮腫状態を軽減するために行う膵管ステント留置術はその一つの対応策と考えられる.われわれの単施設でERCP後膵炎予防に対して膵管ステント留置術のRCTを行い,その有意性を証明し,その結果を組み込んだメタアナリシスを行い報告した.そのERCP後の膵管ステント留置術の施行技術を解説する.