抄録
びまん性胃粘膜下異所腺は切除胃の数%に認められる比較的稀な疾患である.本症は粘膜面に高頻度に胃癌が合併することが報告されており,paracancerous lesionと考えられている.今回,びまん性胃粘膜下異所腺を伴った早期胃癌に対してESDによる一括切除を施行した1症例を経験した.異所腺が嚢胞状に拡張し胃粘膜下嚢胞を形成した場合,内視鏡検査時に併存胃癌の肉眼型や深達度診断に影響を与える可能性があり,術前のEUS診断が重要である.また,本症には高頻度に多発胃癌が合併することが報告されており,併存胃癌の内視鏡治療後には厳重な経過観察が必要である.