日本消化器内視鏡学会雑誌
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手技の解説
スパイラル小腸内視鏡検査の実際
渡部 宏嗣山田 篤生岡 志郎田中 信治小池 和彦
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2012 年 54 巻 5 号 p. 1678-1685

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抄録
2007年に新たな小腸検査法として,Akerman PAらは,スパイラル内視鏡検査(Spiral Endoscopy;SE)を報告した.海外では既に10,000例以上の症例に施行されている.SEは,細径の内視鏡と,内視鏡に装着する先端にらせん状の突起がついたオーバーチューブによって構成される.SEは,検査医とオーバーチューブ介助者の2人法で行う.SEは,挿入時にはオーバーチューブを時計回りに,抜去時には反時計周りに回転させながら行う.検査のすべての段階で,内視鏡をオーバーチューブ先端から最低20センチ以上突出させて行う必要がある.すべての操作は原則として直視下に行う必要がある.われわれが現在までに行ったスパイラル小腸内視鏡検査31例中16例に小腸病変を認めた.1例にマロリーワイス症候群を来たした.検査中比較的多量の鎮静剤も必要であり,今後更なる検査手技の習熟・改善が必要と思われる.
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© 2012 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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