抄録
77歳男性.十二指腸球部に20mmで頂部に陥凹を有す粘膜下腫瘍様隆起を認め,内視鏡的粘膜切除術を施行した.病理組織学的には幽門腺型腺腫ないしBrunner腺腺腫に類似していた.免疫染色では腫瘍の構成細胞は,50%が頸部粘液型細胞で,40%が幽門腺型細胞で,腫瘍露出部の表層が5%ほどの胃小窩型細胞であった.さらに少数の壁細胞も混在していた.胃型形質であるにも関わらず,CDX2やCD10に陽性を示した.頸部粘液細胞型と幽門腺細胞型の胃型腺腫がCDX2やCD10に陽性の細胞へ化生を起こした腺腫と診断した.自験例は異所性胃粘膜を母地とした極めて稀な腫瘍であった.