抄録
患者は88歳.体重減少を主訴に来院.CTにて上行結腸癌およびDouglas窩転移が疑われた.大腸内視鏡では直腸S状結腸部に通過不能の狭窄を認めた.Self-expandable metallic stent(SEMS)を挿入し,内視鏡にてSEMS内を通過,上行結腸癌を確認した.さらに通過不能の同部位にSEMSを挿入した.本症例では肛門側の狭窄にSEMSを留置することにより,口側病変の組織診断が可能となった.また,SEMSにて2カ所の大腸悪性狭窄を解除し,外科手術を回避,良好なQOLを得ることが出来た.閉塞を伴う治癒切除不能大腸癌に対する緩和的SEMSについて文献的考察を含めて報告する.