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朝山 直樹, 北台 靖彦, 永井 健太, 東山 真, 松尾 泰治, 佐野村 洋次, 岡 志郎, 吉田 成人, 上野 義隆, 伊藤 公訓, 田 ...
2013 年 55 巻 11 号 p.
3555-3561
発行日: 2013年
公開日: 2013/11/30
ジャーナル
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症例は20歳,女性.主訴は心窩部痛,下腿浮腫.初診時血液検査で末梢血好酸球分画の増加と低蛋白血症を認めた.上部消化管内視鏡検査では胃体部に発赤,腫大した皺襞,びらん,及び白色滲出物の付着を広範に認め,生検組織で粘膜内に多数の好酸球が浸潤していた.腹部超音波検査と腹部CT検査で層構造の保たれた胃壁の肥厚と少量の腹水を認めた.蛋白漏出シンチグラフィーより蛋白漏出性胃腸症を伴う好酸球性胃腸炎と診断した.本症例はステロイド剤を使用することなく,プロトンポンプ阻害剤と粘膜保護剤のみで症状,検査所見とも短期間で改善した.
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瀧川 英彦, 古土井 明, 菅 宏美, 野中 裕広, 藤本 佳史, 小松 弘尚, 徳毛 宏則, 石田 邦夫, 臺丸 裕
2013 年 55 巻 11 号 p.
3562-3567
発行日: 2013年
公開日: 2013/11/30
ジャーナル
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症例は64歳女性.健診胃X線検査にて胃体部に6cm大の粘膜下腫瘍(submucosal tumor:SMT)様隆起を指摘され当院紹介受診した.上部消化管内視鏡検査でも,胃体部に頂部に潰瘍を伴うSMT様隆起を認めた.CT検査では,胃壁肥厚,両側卵巣表面の腫瘤形成および腹膜結節,ダグラス窩に4cm大の腫瘤形成を認めた.超音波内視鏡下穿刺術(Endosonography-guided fine needle aspiration:EUS-FNA)を施行し,腹膜癌の胃転移と診断した.Paclitaxelとcarboplatin(TC療法)での術前化学療法後に,腫瘍減量手術を施行した.
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赤松 拓司, 山下 幸孝, 松本 久和, 谷口 洋平, 中村 文保, 中谷 泰樹, 瀬田 剛史, 浦井 俊二, 上野山 義人, 小野 一雄
2013 年 55 巻 11 号 p.
3568-3572
発行日: 2013年
公開日: 2013/11/30
ジャーナル
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症例は65歳男性.スクリーニングの下部消化管内視鏡検査にて,S状結腸に粘膜下腫瘍様の形態を呈する5mm大の病変を認めた.診断的治療目的にEMRを施行した.病理組織学的所見では,粘膜固有層主体に異型の乏しい紡錘形細胞の増殖が見られた.免疫染色ではvimentinが強陽性,epithelial membrane antigen,α-smooth muscle actin,desmin,S-100,c-Kit,PDGFは陰性,CD34は部分的に陽性を呈し,Ki-67陽性率は低かった.これらの所見からbenign fibroblastic polyp(BFP)と考えられた.BFPは比較的新しい呼称であり,現時点では疾患概念は確立していない.類似する形態を示す,平滑筋腫,gastrointestinal stromal tumors,神経線維腫,神経鞘腫,神経周膜腫,inflammatory fibroid polypなどを除外して診断されている.本症例が本邦初の報告と思われ,文献的考察を加えて報告する.
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松岡 順子, 松井 謙明, 田代 茂樹, 清水 聡孝, 澤村 紀子, 田中 宗浩, 居石 克夫
2013 年 55 巻 11 号 p.
3573-3579
発行日: 2013年
公開日: 2013/11/30
ジャーナル
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症例は22歳女性.下腹部痛,血便を主訴とし来院した.CT上腸重積の状態であり,入院となった.内視鏡時に肛門より観察される3cm大の腫瘤を認めた.用手的に直腸内に還納し,下部消化管内視鏡検査を行ったところ,腫瘤の本体は多結節状の頭部を有するIpポリープであった.ポリープを還納した後より腹痛は軽快し,ポリープを先進部とする腸重積の状態であったと考えられた.待機的に内視鏡的ポリープ切除術を行い,その後症状の再燃なく経過している.成人でのS状結腸ポリープによる腸重積症の報告は少なく,貴重な症例と考えられた.成人の腸重積を来す病変の中には内視鏡治療が可能な大腸ポリープが存在することが示唆された.原因であるポリープを内視鏡切除し得た初めての報告であり,文献的考察を併せて報告する.
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矢花 崇, 後藤 啓, 安達 雄哉, 内藤 崇史, 三橋 慧, 鈴木 隆, 近藤 吉宏, 笠井 潔, 篠村 恭久
2013 年 55 巻 11 号 p.
3580-3588
発行日: 2013年
公開日: 2013/11/30
ジャーナル
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患者は88歳.体重減少を主訴に来院.CTにて上行結腸癌およびDouglas窩転移が疑われた.大腸内視鏡では直腸S状結腸部に通過不能の狭窄を認めた.Self-expandable metallic stent(SEMS)を挿入し,内視鏡にてSEMS内を通過,上行結腸癌を確認した.さらに通過不能の同部位にSEMSを挿入した.本症例では肛門側の狭窄にSEMSを留置することにより,口側病変の組織診断が可能となった.また,SEMSにて2カ所の大腸悪性狭窄を解除し,外科手術を回避,良好なQOLを得ることが出来た.閉塞を伴う治癒切除不能大腸癌に対する緩和的SEMSについて文献的考察を含めて報告する.
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齋藤 大祐, 林田 真理, 三浦 みき, 櫻庭 彰人, 奥山 秀平, 山田 雄二, 徳永 健吾, 小山 元一, 川村 直弘, 高橋 信一
2013 年 55 巻 11 号 p.
3589-3593
発行日: 2013年
公開日: 2013/11/30
ジャーナル
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ソラフェニブ投与開始後,消化管に潰瘍性病変を認めた進行肝細胞癌の2例について文献的考察を加え報告する.症例1はソラフェニブ投与開始50日後より食思不振が出現,上部消化管内視鏡検査にて胃体上部後壁に浅い不整形の潰瘍性病変を認めた.症例2はソラフェニブ投与開始60日後に血便が出現し,下部消化管内視鏡検査にてS状結腸に縦走する浅い潰瘍性病変を認めた.いずれの症例も,潰瘍性病変の形態からその原因にソラフェニブによる血流障害が疑われ,休薬により症状は改善した.また大腸の病変に関しては,休薬後に内視鏡を再検し潰瘍の瘢痕化が確認出来た.
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棚橋 仁, 沖本 忠義, 児玉 雅明, 村上 和成, 藤岡 利生
2013 年 55 巻 11 号 p.
3594-3597
発行日: 2013年
公開日: 2013/11/30
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透析患者に生じたセフトリアキソンによる胆嚢総胆管偽結石の1例を報告する.54歳の女性が大腸憩室炎を発症し,セフトリアキソンが投与された.第13病日に右季肋部痛が出現し,肝胆道系酵素の上昇とCTで胆嚢・総胆管内に高吸収構造物を認めた.入院時のCTでは指摘できず,同薬剤による偽結石と考えられた.内視鏡的胆道ドレナージを行い,第33病日に胆嚢・総胆管内の高吸収構造物は消失した.セフトリアキソンによる偽結石は比較的短期間に自然消失すると報告されているが,胆道閉塞を生じた場合や消失に時間を要する場合は,胆道ドレナージを考慮すべきである.
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加藤 功大, 峯松 秀樹, 真喜志 知子, 千代田 啓志, 大城 拓巳, 羽根田 賢一, 大中 祐太郎
2013 年 55 巻 11 号 p.
3598-3604
発行日: 2013年
公開日: 2013/11/30
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症例は54歳の女性.急性化膿性胆管炎を発症し胆管ドレナージ目的の胆管ステント留置術を施行し,ERCP後膵炎を予防するために膵管ステントを留置した.後日,腹部CTにて膵体部に膵管ステントが迷入していることが判明した.このため,膵管ステント抜去術を施行した.膵管径が小さく,内視鏡処置に苦慮することが予想され,血管内処置具であるGooseNeck
TM Microsnareを使用し回収することができた.2012年より内視鏡的膵管ステント留置術が保険収載となり,今後こうした症例が増えてくる可能性がある.今回デバイスを工夫することで比較的容易に抜去し得た症例を経験したため報告する.
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