日本消化器内視鏡学会雑誌
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手技の解説
腸管狭窄に対するバルーン拡張のコツ
遠藤 克哉志賀 永嗣黒羽 正剛下瀬川 徹
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2013 年 55 巻 11 号 p. 3617-3623

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抄録

内視鏡的バルーン拡張術は,低侵襲で簡便かつ安全に狭窄解除が得られ,外科的手術によるQOLの低下を阻止しうる優れた治療手技である.バルーン式小腸内視鏡の登場により,現在は深部小腸を含めた全消化管の狭窄に対して施行可能な手技となっている.拡張用バルーンには,through-the-scope(TTS)バルーンとover-the-wire(OTW)バルーンの2種があるが,近年は,手技が簡便で治療中に拡張部位を視認できるTTSバルーンの使用が一般化している.本稿では,TTSバルーンによる腸管狭窄に対するバルーン拡張術の適応,手技の実際とコツ,合併症について解説した.さらに,本分野における最近のトピックスであるクローン病の腸管狭窄に対する有用性についても解説した.バルーン拡張術成功の鍵は,適切な症例選択と過度の拡張の回避がポイントである.

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© 2013 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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