日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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症例
関節リウマチに起因する続発性アミロイドーシスが原因と考えられた胆道出血の1例
永松 秀康成田 竜一丸田 紘史高橋 健上尾 哲也石田 哲也福澤 謙吾若杉 健三米増 博俊
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2013 年 55 巻 12 号 p. 3776-3781

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抄録
症例は71歳女性,総胆管結石による閉塞性黄疸の診断で当院に紹介となり,ERCPにて胆道出血を認め,下部胆管に狭窄が疑われた.胆汁細胞診や生検では悪性所見を得られなかったが,胆道癌による胆道出血も否定できず,幽門輪温存膵頭十二指腸切除を行った.組織学的検索において腫瘍性病変は認めなかったが,乳頭部胆管に線維腺筋性の過形成変化と,膵頭部および胆嚢,肝外胆管の血管壁を主体にAA型のアミロイド沈着を伴う血管炎が確認された.以上の病理所見より,胆道出血は関節リウマチに起因した続発性アミロイドーシスによるものと診断した.
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© 2013 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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