2013 年 55 巻 12 号 p. 3782-3787
症例1は特発性慢性膵炎の52歳女性,症例2はアルコール性慢性膵炎の45歳男性.両症例とも主膵管狭窄に対して膵管ステントが留置され,症例1は1年間に4回,症例2は4年間に7回膵管ステントの交換が行われていたが,ステント交換の際,主膵管内にステントが迷入した.通常,迷入した膵管ステントの回収には,生検鉗子やバルーンカテーテルなどが使用されているが,主膵管は総胆管よりも管腔が狭く,可動性・伸展性に乏しいため,ステントの回収に難渋することが多い.ガイドワイヤー式片開き生検鉗子は,管腔が狭い主膵管内でステントと同軸になりやすく,かつステント近位端を把持しやすいため,迷入したステントの回収に有用であった.