抄録
ホスホマイシン(以下,FOM)は,多くの腸管感染症に対して投与される薬剤である.今回,FOMが起因薬剤と考えられた抗生物質起因性出血性大腸炎の1例を経験した.症例は30歳代の男性.腹痛と血便を主訴に来院.来院4日前に他院にてFOMを投与されていた.腹部CTにて盲腸~S状結腸にかけて壁肥厚を認め,大腸内視鏡検査では発赤を伴う浮腫状粘膜が広がっていた.便培養でKlebsiella oxytoca(以下,KO)を認め,DLST(drug-induced lymphocyte stimulation test)施行したところFOMにて陽性を示したため,FOMを起因薬剤とする抗生物質起因性出血性大腸炎と診断した.FOMを起因薬剤とする同疾患はまれであり貴重な症例と考えられた.