日本消化器内視鏡学会雑誌
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50mm以上の表在型食道癌に対するESDの安全性と治療効果
山階 武石原 立上堂 文也長井 健悟松井 芙美河田 奈都子太田 高志神崎 洋光花房 正雄山本 幸子鼻岡 昇竹内 洋司東野 晃治飯石 浩康
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2014 年 56 巻 3 号 p. 515-521

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抄録

【背景・目的】50mm以上の表在食道癌に対するESDの報告は少なく,今回われわれは50mm以上の表在食道癌に対するESDの安全性と治療効果を検証することとした.
【方法】大阪府立成人病センターで2004年1月から2011年4月までESDにて治療された50mm以上の表在食道癌39例を後ろ向きに検討した.
【結果】全症例がESDにて一括切除されており,1例で穿孔のない縦隔気腫を認めた.また,11例で術後狭窄を認め複数回のバルーン拡張を要した(中央値5回).術前にEP/LPM癌と診断された33病変は26病変がEP/LPM癌,7病変がMM癌,3病変が脈管侵襲陽性であった.一括切除率は100%,完全一括切除率は92%であった.ESDの治癒切除率は70%,偶発症は2.5%に起こっていた.
【結論】ESDでの一括完全切除率は92%で治癒切除率は70%と許容されるものであった.しかし50mm以上のESDを検討する際には術後狭窄を考慮する必要がある.

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© 2014 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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