日本消化器内視鏡学会雑誌
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手技の解説
カニュレーション困難例に対するEUS-guided rendezvous technique
川久保 和道河上 洋伊佐山 浩通坂本 直哉
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2014 年 56 巻 3 号 p. 504-514

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抄録

EUSランデブー法は,ERCPでの選択的胆管挿管困難例に対する,胆管アクセスのためのサルベージ法として有用性が報告されている.初めに,胆管をEUSガイド下に穿刺,穿刺針の中にガイドワイヤーを通し,順行性に乳頭を通して十二指腸に誘導する.そして,EUSを抜去して,ERCPスコープを挿入する.最後に,乳頭から出ているガイドワイヤーを頼りにして,胆管内にカテーテルを挿入する.手技が煩雑であり,専用の内視鏡や処置具が無いため,標準的な治療とは言えないが,直視下に胆管へのアクセスできるため,確実な胆管挿管が可能である.しかし,腹腔や後腹膜腔を介しての穿刺を行うための,胆汁漏出,気腹症,腹膜炎といった重篤な偶発症も起こりえることを認識しておく必要がある.また,EUSランデブー法には,様々なアプローチルートがあり,すべてに精通することがランデブー法成功のカギであるといえる.

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© 2014 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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