日本消化器内視鏡学会雑誌
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手技の解説
十二指腸病変の拡大内視鏡診断
郷田 憲一
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2015 年 57 巻 10 号 p. 2478-2488

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抄録

十二指腸の腫瘍性病変はまれな疾患であるため,概して十二指腸病変に対する臨床医の関心は薄かった.しかし,近年におけるEsophagogastroduodenoscopy(いわゆるパンエンドスコピー)の普及・標準化や最近の急速な高齢化社会の進展によって,十二指腸腫瘍性病変に遭遇する機会は増加している.それに伴い胃や大腸の腫瘍性病変と同様に,拡大内視鏡による鑑別診断あるいは腫瘍範囲の診断の精度向上が追求されるようになった.また,narrow-band imagingをはじめとする新規画像強調技術と拡大内視鏡との併用は表面微細構造に加え,微小血管構造の詳細な検討を可能にした.まずは通常内視鏡で拡大観察のよいターゲットなる小病変を見落とさないことが重要である.本稿では,われわれが行っている通常観察手技を紹介した後,十二指腸の臓器組織特性に即した拡大内視鏡による観察手技と診断のポイントについて言及したい.

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© 2015 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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