日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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症例
幽門狭窄を来した好酸球性胃炎の1例
福本 晃平北村 陽子下河邊 嗣人竹谷 祐栄角谷 彰田中 斉祐大野 智之金政 和之今井 俊介
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2015 年 57 巻 3 号 p. 216-222

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抄録
症例は70歳代,女性.繰り返す嘔吐と腹痛を主訴に当科を受診した.腹部CT検査にて胃の著明な拡張と前庭部に全周性の壁肥厚を認めた.上部消化管内視鏡検査では前庭部に高度な狭窄を認め,同部位の粘膜は凹凸不整を呈し,多発するびらんを認めた.病理組織検査にて粘膜内に高度な炎症細胞浸潤と好酸球浸潤(20/HPF以上)を認め,好酸球性胃炎と診断した.ステロイド投与にて粘膜の凹凸不整所見は改善した.幽門狭窄に対してバルーン拡張術を複数回施行し,症状は改善した.ステロイド維持投与にて経過観察中である.
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© 2015 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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