日本消化器内視鏡学会雑誌
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総説
胆道鏡を用いた胆管疾患の診断・治療の現状と展望
鎌田 健太郎糸井 隆夫森安 史典
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2015 年 57 巻 4 号 p. 1135-1149

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抄録

胆道鏡の発展の歴史,現在使用可能な胆道鏡の種類,胆道鏡を用いた診断,治療,今後の展望について解説した.胆道鏡は経口胆道鏡と経皮経肝胆道鏡がある.経口胆道鏡は二人の術者により行われる十二指腸内視鏡から電子胆道鏡を挿入する従来の親子式に加え,一人の術者で施行可能な胆道鏡が開発された.さらに細径上部内視鏡を経口的に直接胆管挿管する経口直接胆道鏡が注目されている.胆道鏡を用いた診断,治療法が各種報告されているが,主に診断では胆管狭窄や腫瘍性病変を直接観察しNBIや直視下生検を追加することで正確な診断が可能と報告されている.治療では除石困難な総胆管結石症に対し胆道鏡で結石を確認しながら砕石を行う有用性が報告されている.術後腸管患者でも直接経口胆道鏡が小腸内視鏡などを用いて行われている.今後,胆道鏡や処置具の開発が進み,さらなる診断能や治療成績の向上,新たな治療法の開発が期待される.

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© 2015 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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