抄録
症例は60歳,女性.便潜血陽性のため下部消化管内視鏡検査が施行され,S状結腸に径約8mmのIIa様形態のポリープが存在したため内視鏡的粘膜切除術(endoscopic mucosal resection;EMR)が行われた.粘膜固有層内において,核が卵円型~紡錘形で境界不明瞭な紡錘形の腫瘍細胞の増生を認め,これらの細胞は免疫染色において,vimentin陽性,CD34一部で弱陽性,CD117(KIT)陰性,αSMA陰性,S100陰性であったためbenign fibroblastic polyp(良性線維芽細胞性ポリープ)と診断した.