日本消化器内視鏡学会雑誌
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内視鏡室の紹介
徳洲会札幌徳洲会病院
責任者:岡村毅與志  〒004-0041 札幌市厚別区大谷地東1丁目1-1
関山 伸男
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2016 年 58 巻 10 号 p. 2232-2234

詳細

概要

沿革・特徴など

1983年(昭和58年)5月に北海道札幌市白石区栄通18丁目4番10号に新設,徳洲会グループの病院としては全国10番目で,北海道エリアでは最初の病院として開院いたしました.開院当初より年中無休24時間診療を掲げて今日に至っておりまして,外来は一般外来と救急外来を併設しています.1998年(平成10年)に増築後,臨床研修指定病院に指定されました.その後,2012年(平成24年)7月1日に北海道札幌市厚別区大谷地東1丁目に新築移転いたしました.

開院時から診療科としてはほぼ全科をこなしていましたので,内視鏡検査室は当初は消化器内科,呼吸器科,消化器外科,等の共用検査部門として使用されていました.その後,1996年(平成8年)4月に内視鏡専門医・指導医の岡村毅與志先生が赴任されまして,消化器内視鏡検査室を立ち上げて頂きまして,その後,1998年(平成10年)4月に内科や消化器内科および他の科とともに,消化器内視鏡に付きましても日本消化器内視鏡学会の認定指導病院として頂きました.

以後,消化器内科医の充実がなされまして消化器外科との連携も進み,当時としては先進的な胃のESDや膵胆管病変の内視鏡的治療なども手掛けておりました.しかし,新病院移転前の2010年(平成22年)頃には主要な消化器内科医の退職などで内視鏡検査は一時低調となりましたが,移転前後から新たな専門医や指導医を迎えることができまして,更に新病院の内視鏡検査室の拡充や2014年(平成26年)にはIBDセンターの開設もありまして,検査件数は倍増しているところです.

組織

消化器内視鏡室は放射線科などとともに独立した体制をとっていますが,組織図の中では看護部に属しています.

検査室レイアウト

 

 

 

当内視鏡室の特徴

床面積は422.5m2.検査の際の動線に無理がなく,処置室が比較的独立している点は好評です.内視鏡検査室に大小があるため検査内容によって使い分ける必要があることや,上部消化管内視鏡検査と下部消化管内視鏡検査でトランスの位置を移動しなくてもよい部屋と移動しなければならない部屋があるのは多少煩雑ですが,総体としてはゆったりとして使いやすい作りと思われます.

スタッフ

(平成28年2月現在)

医   師:指導医4名,専門医2名,その他2名,研修医1名

内視鏡技師:Ⅰ種3名

看 護 師:常勤7名,非常勤1名

事 務 職:1名

そ の 他:1名

設備・備品

(平成28年2月現在)

 

 

実績

(平成26年4月~平成27年3月まで)

 

 

指導体制,指導方針

当院設立時の趣旨から専門医を育てるといったことよりは地域医療を実践する病院としての役割に重きを置かれてきていたため,指導内容としては様々な形を取ってきています.指導体制としての考え方は,①当院の消化器病専門医はもちろん消化器内視鏡の専門医でもありますが,当院で最初から内視鏡の手技を習得してきた医師のほかに,いくつかの他の病院を経由して技術を習得してきた医師もいて,技術の均一化とともに得意分野をさらに極めるための方針が必要です.そこで,一つの技術を極めるためには,仲間内で競うよりはそれを希望する専門医に症例を集中して行ってもらうほうが早道との考えを実践しています.②後期研修を修了して消化器病および消化器内視鏡の専門医を目指す医師の勤務を切望していますが,積極的に募集をしてはいないためいまのところは稀にしか見られません.とりあえず当院のような体制の病院に来られる方の考え方は多様であるため,その医師の個別性を重視して指導内容を考える必要があり,画一的にスケジュールを作成して実践することには難があると考えています.なおこの場合,指導医は終始同一医師であるほうが良いとも考えています.③現在一番多いのは,研修医制度に従って当院で研修される前期研修医および後期研修医が,あるいは他院から依頼された研修医が,1-3カ月間の消化器の研修期間の中での内視鏡検査の研修を行うといった形態です.きわめて短期間ではありますが,将来の専門医となるべく選択肢でもあるのでおろそかにはできません.機器に触れてみて検査の実際を見て満足する段階から,検査の介助を手伝ったり,上部消化管内視鏡検査の観察をしたり,等の経験を積ませるか否かは指導医の判断によります.なお,指導医は終始同一医師とする必要はないようです.

直接の指導体制としては上記のような方針で行っていますが,注目すべき症例については,日々検査の途中やその日の夕方に電子カルテから引き出して提示あるいは検討しあうほか,消化器内科の定期症例検討会が毎週月曜日に開かれていますほか,消化器内科の手術適応症例は毎週木曜日に外科との合同カンファレンスに提出されて検討を重ねられています.

昨今,専門医や指導医の資格の収得や更新には,内科学会,消化器病学会,消化器内視鏡学会等への参加が必要ですが,ほかにも必修の研修会への参加もあり,医師同士が連携を取って参加の計画を立てないと,日々の診療に支障を来しかねないといったところも指導体制に組み込まなければなりません.

現状の問題点と今後

当院は,開院当初より救急は総合内科および外傷センターによる24時間受け入れ態勢を維持してきています.これらをバックアップするために,消化器内視鏡を担当する医師は看護師とともに日々待機態勢を取っています.たまたま内科系の病院当直の時には,そのまま待機態勢に付きます.当然,夜中に入ってくる緊急内視鏡検査を必要とする症例は簡単ではなく,寝る時間のない一夜となることもあります.若さによってカバーをするには過酷な時もあり,どこも同じかと思いますが人材の確保が求められております.

現在,医療の技術は新しい機器とともに進歩してきた面があり,特にと云うわけではありませんが消化器内視鏡についても機器の更新と新たな機器の導入が待たれております.当院でもIBDセンターを立ち上げておりますが,ダブルバルーン内視鏡やカプセル内視鏡を早急に自前で持つことが待たれております.またEUS-FNAも必要症例が増加しており,導入が待たれております.

現在,外科手術の主流は内視鏡を用いた手技になって来ておりますが,長い歴史を持つ消化器内視鏡機器による内視鏡検査や治療もますますその有用性が認められており,適応範囲も拡大されてきておりますが,同時に高度の安全管理も求められてきており,今後とも内視鏡技師や看護師あるいはME等の人材の育成もゆるがせにはできません.

当院の社是である地域医療を実践する中での24時間受け入れ態勢に,途切れることがなく貢献できる消化器内科医の活躍の場が称えられるものであって欲しいと願っています.

 
© 2016 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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