日本消化器内視鏡学会雑誌
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内視鏡室の紹介
沖縄県立宮古病院
責任者:上原哲夫  〒906-0013 沖縄県宮古島市平良字下里427-1
島袋 耕平
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2016 年 58 巻 10 号 p. 2238-2240

詳細

概要

沿革・特徴

沖縄県立宮古病院は,昭和25年1月に宮古民生政府立結核療養所として開設された.

昭和35年には結核以外の一般病床も備えた琉球政府立宮古病院と改称し,昭和47年の本土復帰に伴い,沖縄県立宮古病院に改称している.

その後,各診療科の開設や増床で昭和59年には総合病院の名称が承認された.役割は,一般医療は元より,救急医療・精神医療において,宮古保健医療圏域の中核的な役割を担うこと.沖縄本島で検査・治療を受けることによる地域住民の経済的・心理的負担の軽減を図るため,地域の医療機関との連携を密にしながら地域完結型の医療を提供することである.旧沖縄県立宮古病院の内視鏡室開設にて,消化管の内視鏡検査は開始され,平成25年6月に新病院に移転.開院後も地域の多彩な疾患に対応するため,設備を充実しつつ消化器疾患の診断・治療に取り組んでいる.

宮古島の慣習として泡盛などのアルコール度数の高い酒を摂取するので,アルコール多飲に起因する疾患が多く,肝硬変や慢性膵炎などが多い.また,理由は不明であるが胆石症が多く,胆管結石治療も多い.全体としては,島の人口の割には胆膵系の治療内視鏡が多いのが特徴である.

組織

内視鏡室は手術室・中央材料室・内視鏡室・放射線科の4部署を1看護単位として位置づけられており,消化器内視鏡部門の業務は消化器内科の医師が,予定検査,緊急検査に対応している.

検査室レイアウト

 

 

 

当内視鏡室の特徴

新病院は平成25年6月に新築されたため,設備や物品などは新しく購入した物が多くを占め,最新の設備がそろっている.

当院の内視鏡室は,2列で上下部内視鏡を稼働可能な設計となっているが,現在は1名の医師がルーチンの上下部内視鏡を担当している.空いているスペースには,様々な処置具の設置や機材がおかれているが,超音波内視鏡や他の内視鏡器械などを設置して使用することが可能である.内視鏡室に隣接したX線透視室ではERCPや気管支鏡,その他の透視を要する内視鏡検査を行っている.内視鏡室とこの部屋の行き来は容易であり,内視鏡機器や医師,看護師の移動もスムースな設計になっている.また,部屋が足りない時には緊急内視鏡時にも時々使用している.他科の医師も使用するため,使用可能な時間が限られているのが難点である.

緊急内視鏡検査の体制は,基本的には上級医と修練医,および看護師2名の計4名で処置を行っている.

前処置室も併設しており,2カ所のトイレで大腸内視鏡の前処置に対応している.専用リカバリー室は設置しておらず,外来患者は内科外来の処置室で,入院患者はそのまま入院病棟で経過観察している.

スタッフ

(2016年1月現在)

医   師:指導医1名,その他スタッフ2名

看 護 師:常勤14名,非常勤若干名

そ の 他:1名

設備・備品

(2016年1月現在)

 

 

実績

(2015年1月~2015年12月まで)

 

 

指導体制,指導方針

内視鏡指導医1名の指導の下,後期研修後の修錬医が2名おり,一緒に手技を施行しながら指導する体制になっている.ルーチンの上下部内視鏡については基本的には修錬医が1人で行っているが,いつでも相談できる体制である.修錬医が後期研修医の場合は,半年程度の間は上級医が後方で指導を行う.

EVL,EMR,PEG,ERCPなどの治療内視鏡を行う場合は,基本的に3名の消化器内科医が全員そろった状態で施行するが,修錬医が積極的に手技を行っている.比較的胆膵系の治療内視鏡が多いのが特徴で,ERCPを行ったことのない後期研修医でも3カ月程度の介助を経験した後に側視鏡の挿入からトレーニングを開始している.

内視鏡指導医や非常勤の専門医の指導の下に,豊富な症例数を経験することができるので,後期研修を終了した修錬医にとっては非常に良いトレーニングを受けられる環境が整っている.特に,沖縄県の離島医療プロジェクトにより2カ月に1度,東京大学医学部附属病院伊佐山浩通准教授による胆膵系の実技指導があり,新しい手技や最新の内視鏡デバイスなど指導を頂いている.また,外科との合同カンファレンスにて種々のDiscussionを行い,学会発表などの学術的活動も行っている.

ERCPを行ったことのない後期研修医などは3カ月から半年程度処置の介助を行った後に側視鏡の挿入を行う.

現状の問題点と今後

① 内視鏡を担当する医師・看護師の数に対して症例数が多いので,多くの症例を経験できるが,内視鏡ができる総合内科医にも応援を頼まないといけない状態もしばしばである.

② 離島における緊急内視鏡の多くを当院が担っており,ほぼ毎日がオンコールの状態であり,夜間の緊急も積極的に施行している.また,緊急内視鏡を行う際に医師が足りない場合は,開業している当院OBの消化器内視鏡医と連携することもある.

③ 小腸内視鏡や超音波内視鏡などの器械を常備していないので,必要時にはレンタルして施行している.困難な症例では沖縄県立病院や沖縄本島の病院へ紹介することもあり患者様へ負担をおかけしている点もある.新規器械の購入は困難ではあるが,少しずつ体制は整いつつある.

消化器内科医師が常任ではなく,本島からの派遣体制であるのが難点であるが,修練医は症例を豊富に経験できる利点を生かして,教育機関としてもさらに発展していきたい.

 
© 2016 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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