日本消化器内視鏡学会雑誌
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早期胃癌および食道表在癌に対するESDにおけるプロポフォールを使用した麻酔科医により管理された非挿管下の静脈麻酔の安全性と有効性
野中 哲 川口 洋佑小田 一郎中村 純佐藤 知子金城 譲阿部 清一郎鈴木 晴久吉永 繁高佐藤 哲文斎藤 豊
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2017 年 59 巻 1 号 p. 102-111

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抄録

背景と目的:患者の鎮静状態が不良であれば,呼吸状態は不安定となり,体動も増加するため,内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)はより困難になり,偶発症のリスクも増大してしまう.本研究の目的は,早期胃癌および食道表在癌に対するESDにおけるプロポフォールを使用した内視鏡室での麻酔科管理下の非挿管静脈麻酔(MAC)の安全性と有効性を明らかにすることである.

対象と方法:2010年7月から2013年3月の期間に,国立がん研究センター中央病院内視鏡科にて早期胃癌または食道表在癌に対してESDが施行された連続症例を,MAC群と内視鏡医が麻酔を行う通常群(Control群)に分けて,後方視的に検討した.検討項目は,患者背景,内視鏡所見,治療結果,体動の有無,酸素飽和度(SpO2),使用薬剤および使用量とした.

結果:早期胃癌137症例(16%)および食道表在癌82症例(57%)がMAC群として,一方,早期胃癌731症例(84%)および食道表在癌63症例(43%)がControl群として,ESDが施行された.MACは全体の21%に施行された.胃ESD中の第三者の抑制が必要な体動は,MAC群で30例(22%),Control群で533例(72%)であり(P<0.0001),食道ESDではMAC群で36例(44%),Control群で53例(84%)であった(P<0.0001).最低SpO2の中央値は胃・食道ESDにおいてMAC群がControl群より有意に低かった(胃,96% vs. 98%,P<0.0001;食道,96% vs. 98%,P<0.0004).MACは入院期間を延長させるような有害事象の原因にはならなかった.

結論:プロポフォールを使用した麻酔科管理下の非挿管静脈麻酔(MAC)は,ESD中の体動を有意に減少させることでより安全な治療環境を実現することができ,長時間の治療が要求される困難症例やより強力な鎮静が必要な困難症例に対して非常に有効であると考えられる.

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© 2017 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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