2018 年 60 巻 10 号 p. 2335-2338
1960年(昭和35年)松倉外科(旧第1外科の前身)のもと付属病院西館に内視鏡室を開設.
1965年(昭和40年)第3内科常岡健二教授のもと付属病院本館地下に内視鏡室を開設.
1969年(昭和44年)第3内科内視鏡室が付属病院本館地下から東館3階に移設.
1975年(昭和50年)付属病院中央棟2階に内視鏡センターを新設(常岡健二教授が初代内視鏡センター室長).
1984年(昭和59年)消化器内科・消化器外科と合同で内視鏡センターの運用を開始.
2017年(平成29年)11月 付属病院新棟の開設に伴い新棟B1に内視鏡センターを移設.
組織・中央診療・共用部門の一つとして内視鏡センターは独立している.
・消化器内科,消化器外科,呼吸器内科,呼吸器外科の医師が合同で中央検査部門の内視鏡業務に携わっている.
検査室レイアウト

・緊急内視鏡への対応:日本医大は救命センターを中心とした救急救命医療のhigh volume centerであり,消化管出血などの緊急内視鏡対応が24時間・365日実施できるようになっている.東京23区の医療機関で対応できない消化管出血患者が発生した場合,最終受け入れ先として都内唯一の施設登録となっている(いわゆる東京ルール).
・消化管癌の早期発見に注力:効率的で確実な早期消化管癌の発見のため,上部消化管内視鏡・大腸内視鏡で使用する標準内視鏡は拡大内視鏡となっており,全例で画像強調拡大内視鏡によるoptical biopsyが可能となっている.また,endocytoscopyを導入しており,3D内視鏡など次世代の高精度内視鏡の研究開発ができる体制を整えている.
・低侵襲内視鏡治療の具現化:消化管表在腫瘍(食道・胃・大腸)に対するESD,LECS/NEWSなどの外科内科合同手術,咽頭表在癌に対する耳鼻科消化器内科合同手術など低侵襲内視鏡治療が可能な体制となっている.また胆膵治療内視鏡やダブルバルーン内視鏡下治療(拡張術/ポリペクトミーなど)にも注力している.
・消化管機能検査室を併設:消化管機能障害を診断するために必要なhigh resolution manometory/pH monitor/inpedanceなどの消化管機能検査室をセンター内に併設.
(2018年2月現在)
医 師:指導医9名,専門医15名,その他スタッフ2名,研修医など7名
内視鏡技師:Ⅰ種1名,その他技師1名
看 護 師:12名
事 務 職:1名
そ の 他:2名(看護助手)
(2018年2月現在)

(2017年1月~2017年12月まで)

・消化器内科専修医(卒後3年目,消化器内科入局1年目)には半年間,内視鏡センター所属として内視鏡診断・治療に専念して研修を行う体制をとってきた.その間は,内視鏡検査および治療に専念し(入院は内視鏡治療患者のみを担当),基本的な上部・下部内視鏡検査手技および診断能の習得を行っている.専修医の期間は必ずチェッカーと称する専門医(基本的には内視鏡指導医資格を有する医師)による指導を受け,一定の水準で内視鏡検査および内視鏡診断が実行できる指導体制としている.
・内視鏡カンファレンスを毎週実施し,専修医はESD術前内視鏡の読影を行い,指導医からのreviewを受ける体制としている.また,内視鏡カンファレンスではESD後の病理結果を全例reviewしている.毎月1回病理部門・消化器外科と合同のカンファレンスを実施し,内視鏡と病理画像を直接対比しながら,診断および治療精度の向上を日常的に追求できるシステムとしている.
・コメディカルスタッフの充実:2017年まではコメディカルスタッフはNrと助手のみであった.2017年秋に初めて内視鏡技師資格をもつMEを内視鏡センタースタッフとして迎えた.今後複数名の内視鏡技師を育成し,コメディカルスタッフの充実を図る予定である.
・検査室1室あたりまたは医師1人あたりが実施する内視鏡検査数は必ずしも多くない.このため,コメディカルスタッフとの連携も含めた効率的な内視鏡診療の実施が大きな課題である.2018年春に外部機関による内視鏡診療の運用評価を行い,組織的に運用効率を高める取り組みを開始したところである.
・内視鏡治療に関する研究開発に取り組める体制が整いつつ有り,今後内視鏡診断・治療のhigh volume centerを目指す目論みである.