2018 年 60 巻 11 号 p. 2444-2447
寺田病院は,1970年に現院長の父である寺田和彦が開設した夜間診療所「寺田医院」を始まりとする.
1980年9月に東京都足立区本木の地に外科手術も出来る地域密着病院として開設も院長の突然の他界により1992年に当時副院長であった内科医の澤井廣量(現名誉院長)が院長となり,療養型病院として引き継がれる.
2002年12月,大規模改築により,消化器専用エリア及び病棟を増築.それに伴い内科が主体の病院から,消化器疾患に特化し消化器内視鏡検査・治療と肛門科治療を主体とした消化器専門病院へと方向を転換する.(病床 45床)
2013年7月,建物の老朽化に伴い,最寄駅前の足立区扇へ新築移転.消化器専用フロアを設け,男女別の待合等にてプライバシーに配慮するとともに,患者導線を意識した専門性の高いフロアを新設した.(診察室を4室に,内視鏡室を4室に,内視鏡検査施行後のリカバリーベッドを14床に増設した.)
2015年2月には45床から50床に増床し,胃・大腸肛門分野に特化した専門病院として発展を遂げ認知度も高まっている.
胃・大腸・肛門疾患に特化し,内視鏡件数は年間10,000件以上実施している.外科手術は主に,肛門疾患,鼠径ヘルニア,大腸ポリープ,下肢静脈瘤等の短期滞在外科手術を中心とした医療を行っている.病床も患者が快適に過ごせるくつろぎやすい環境を考え,アメニティを重視したホテルライクな設備を新設した.
また,従来からの内科,整形外科に加え,泌尿器科,婦人科を新設し,下腹部の症状については院内で診断が完結できるよう,排便機能障害等も含む骨盤内疾患全般に対応できる医療機関として,質の高い医療の提供を目指している.
組織消化器専用フロア(胃・大腸肛門病センター)として独立している.
検査室レイアウト

新築移転以前は内視鏡室2室を有し検査を行っていたが,患者数の増加により検査の予約から実施までに3カ月を要するという問題があった.また,検査待合スペースが男女混合のため,検査着を着た男女に同室で待って頂いていたので,今後はプライバシーに配慮のある病院にしていきたいという思いがあった.
以上を踏まえ2013年3月の新築移転時には,内視鏡室を4室に増設し,男女別の待合室を配置し,さらにリカバリーベッド14台,専用の予約ブース3カ所の増設を行った.
内視鏡の洗浄についても,カイゲン社製の内視鏡消毒装置を4台に増やし,スムーズかつ迅速な内視鏡洗浄が行えるようにした.
また,検査を受診する患者には,一般外来の待合からは見えない検査患者専用の通路を通って頂く事により,検査着で外来の患者の前を通る事無く,プライバシーに配慮した形でスムーズに内視鏡室への移動して頂く事が出来るようになり,患者からも高い評価を得ている.
以上のような工夫により,移転後は以前よりも予約が取りやすくなり,また,患者により快適な状況で腸管前処置や検査の順番を心地良くお待ち頂ける環境を提供することが出来ている.
都内4箇所に配置したサテライトクリニック(分院)でも同様の検査を行っているが,事前に入院が必要な患者やポリープ切除は本院で引き受けるなど,綿密な連携体制を設けることにより,患者に安心して検査を受けて頂くことが出来ている.
近年では検査予約ブースにタブレットを導入し,予約の際スタッフが個別に説明する前に,当院作成の検査説明動画を患者に閲覧してもらうことにより事前に理解を深めて頂き,予約時の説明時間の短縮による効率の良い予約業務に一役かっている.
スタッフに関しては,経験豊富な指導医が2名おり,専門医も多数勤務している.
また,当院は日本消化器内視鏡学会専門医修練施設であるため,内視鏡手技の習熟のために勤務している若手医師も多数おり日々修練に励んでいる.内視鏡技師の資格を持つスタッフも常勤しており,内視鏡のスペシャリストチームとして,より質の高い検査を患者に提供していくことを目指し医療を行っている.
(2018年5月現在)
医 師:指導医2名,専門医6名,その他スタッフ13名
内視鏡技師:Ⅰ種6名,Ⅱ種1名
看 護 師:常勤6名,非常勤6名,事務職12名
(2018年5月現在)

(2017年5月~2018年4月まで)

当院は,臨床研修指定病院ではなく,経験のある医師により検査が行われている.
専門医,指導医の必ずいる勤務体制が構築されており,有事の際には迅速にフォローが出来る体制を整えている.
現状も50床の病院で実施している検査件数としては非常に多くの検査を実施しているが,まだまだ効率よく検査をできる体制を構築できると考えている.
そのためには,より質の高い検査を実施するための医師・スタッフの技術向上,効率の良い予約体制を組むためのスタッフの育成や内視鏡検診・人間ドックの充実,内視鏡機器の新機種への更新,専門医・内視鏡技師の資格取得のためのサポート強化等が必須と考えている.
その一助として,現在,開発中のAIによる内視鏡診断ソフトの研究・開発に協力.
新しい技術も導入し,より質の高い検査・診断能力を有し,患者様により質の高い医療を提供できるように日々研鑽に励みたいと考えている.