日本消化器内視鏡学会雑誌
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内視鏡室の紹介
兵庫県立西宮病院
責任者:小森真人(内視鏡センター長),安永祐一(診療部長),河田純男(院長)  〒662-0918 兵庫県西宮市六湛寺町13-9
小森 真人
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2018 年 60 巻 8 号 p. 1530-1532

詳細

概要

沿革・特徴など

当院は昭和11年に兵庫県立西宮懐仁病院として創立された(診療科目は内科,外科).昭和16年に産婦人科,耳鼻咽喉科,昭和22年に小児科,眼科が新設された.昭和35年に兵庫県立西宮病院と改称され,昭和36年に総合病院として承認された.昭和42年に放射線科,昭和43年に整形外科,昭和45年に麻酔科が新設され,告示救急病院となる.昭和46年に救急医療センター,昭和47年に腎移植センターが設置された.昭和49年に泌尿器科,脳神経外科,平成4年に理学療法科が新設された.平成15年に臨床研修病院の指定を受け,平成16年に病院機能評価の認定を受けた.現在の病床数は400床である.

組織

内視鏡センターとして独立しているが,専任スタッフはおらず,消化器内科と消化器外科の医師が内視鏡診療を行っている.内視鏡看護師,事務員,洗浄員は外来部門所属となっている.

検査室レイアウト

 

 

 

当内視鏡センターの特徴

当センターは11階建て本館の3階フロアに位置する.総面積は52.6m,平成25年9月24日にリニューアルされ検査室は4室から5室に増室,プライバシーに配慮し個室性を高め,センター内にトイレを設置した.鎮静剤使用後などに必要なリカバリーベッドも5台確保し,外来鎮静内視鏡も積極的に導入することで苦痛軽減に努めている.透視検査・処置(ERCP,シングルバルーン小腸内視鏡,EIS,ステント留置術など)は,同3階フロア放射線部門に透視検査室を設置することで,内視鏡センターとスムーズな導線を確保している.CO送気装置を全検査室に配備し,大腸内視鏡検査時やESD・EMR・ERCPなどの処置時に使用し,身体負担軽減を図っている.内視鏡センター内5台,放射線部門透視室内1台の内視鏡装置を画像ファイリングシステム(通称NEXUS)でネットワークし,患者情報・画像情報を一元管理している.画像を含んだ内視鏡レポートと平成27年2月から導入された電子カルテとのリンクにより迅速な結果報告も可能になり,検査終了直後から外来で結果説明が可能となった.

スタッフ

(2018年4月現在)

医     師:指導医10名,専門医3名,その他スタッフ6名,後期研修医8名

内 視 鏡 技 師:Ⅰ種3名

看   護   師:常勤5名(Ⅰ種3名含む)

事   務   職:2名

洗浄員(派遣):4名

設備・備品

(2018年4月現在)

 

 

実績

(2017年1月~12月まで)

 

 

指導体制,指導方針

当院は臨床研修病院であり,消化器内科には各学年10名の初期研修医全員が少なくとも2カ月間ローテーションしている.当院では,医療人として必要な基本姿勢・態度が身に付くよう,当科では,症例毎に複数の上級医が消化管,胆膵および肝臓領域疾患の指導にあたり,幅広く基礎的な医学知識が身に付くよう指導している.

内視鏡センターでは,日本消化器内視鏡学会認定専門医制度規則に準拠して研修を行っている.初期研修1年目の目標は検査の見学・生検介助から始めて,処置の見学・介助について熟知すること.2年目は内視鏡シミュレーターで十分な実技トレーニングを行った後に,鎮静下上部消化管内視鏡検査症例などでの引き抜き観察を指導医監督下で行っている.専攻医(後期研修医)は上部・下部の基本手技,その後段階的に生検,拡大観察,内視鏡的止血術,EMR,EVL/EIS手技を習得.ESDに関しては内視鏡的止血術,EMR手技の習得後,十分な介助経験を積んだ後に前庭部病変など比較的容易と判断した病変を対象に指導医がマンツーマンで指導している(同時に内視鏡ライブやハンズオンセミナーへの積極的な参加も勧めている).胆膵領域に関してはERCPに始まり,段階的にENBD,EST,EUS-FNA手技の習得が出来るように指導している.

内視鏡手技と並行して,症例検討会,内視鏡検討会,内科外科合同カンファレンスを各週1回行い,内視鏡所見から治療方針に至るまで複数科で検討している.また,積極的に学会・研究会に参加することで知識を深め,発表することで知識を整理することを学んでもらっている.最後に,医療安全に関する意識・体制は極めて重要であり,内視鏡検査・治療に関するインシデント報告やアクシデント報告からその対応策についての指導を適宜行っている.

現状の問題点と今後

現状の問題点は,内視鏡件数の増加,鎮静剤使用の増加,患者層の高齢化,医療技術の進歩に伴う手技の煩雑化などに伴い医療スタッフの業務量が増える一方,人員不足(特に看護スタッフ)が喫緊の課題である.また,ルーチンの内視鏡検査時でも鎮静を希望する患者数が増える一方,リカバリースペース不足により鎮静内視鏡に対応できる件数が限られており,ソフト面のみならずハード面の充実も必要である.

今後は,取り巻く医療環境の変化に迅速・正確かつ柔軟に対応するために,まずは検査の効率化や人材確保を含めたソフト面の充実に取り組み,ハード面の充実には時間をかけて取り組む必要がある.阪神医療圏の中核病院として,ガイドラインに則った安全かつ高度な医療技術を提供できること,職員(医師,内視鏡技師,看護師,事務職,洗浄員)が働きやすい環境を構築すること,若い内視鏡医達が十分な研修を受けることが出来る指導体制を整えることを目標としている.

 
© 2018 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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