2019 年 61 巻 10 号 p. 2426-2429
当院は,倉敷紡績株式会社社長 大原孫三郎によって大正12年に創設された.大原は病院建設にあたり,『治療本位』『病院くさくない明るい病院』『東洋一の理想的な病院』という3つの設計理論を打ち出し,その精神は『患者本位』『全人医療』『高度先進医療』の3つの基本理念として現在も引き継がれている.今日では,地域の急性期基幹病院となり,平成17年に心臓病センター,平成24年に新病棟の建設が行われた.平成25年には岡山県より救命救急センターの指定を受け,年間約10,000件の救急搬送を受けている.一方,当センターは昭和55年に内視鏡センターとして開設され,平成4年に消化器内視鏡センターに改められ,平成17年に増改築が行われた.その後の内視鏡症例数の増加に伴い,平成28年にはセンターの増改築が始まり,現在に至っている.
組織消化器内視鏡センターは独立した組織であるが,施設は気管支内視鏡センターと共有している.スタッフ・専門修練医・後期研修医はすべて消化器内科に属す.看護師,臨床工学技士などのコメディカルは内視鏡センター専属となっている.
気管支内視鏡センターは消化器内視鏡センターとは別組織となり,呼吸器内科・呼吸器外科の医師が担当し,週2回午後に検査を行い,看護師・事務は兼任となっている.
検査室レイアウト

当センターは総面積1,200m2と非常に大きなスペースを有しており,また検査室はすべて個室化され,センターの中央にはコントロールルームを配置している.検査室は8室あるが,そのうち3室は透視室となっており,複数の透視が必要な検査が重なっても行えるようになっている.
コントロールルームでは全検査室の室内映像と内視鏡画像が確認できるようになっており,全体の流れを確認できるとともに所見の確認も行える.また,内視鏡画像及び透視画像,EUS画像はすべて自動で動画保存されており,検査直後に動画で症例の振り返りも行えるようになっている.
透視室は3室とも49インチの大型モニターを配置しており,一つのモニター内に内視鏡画像,透視画像,レントゲン撮影画像,EUS画像,電子カルテ情報,生体情報モニターなど,複数の情報を同時に表示できるようになっている.
一方,リカバリースペースも十分な面積があり,リクライニングシートが12台,ストレッチャーのまま待機するスペースが7カ所,個室のリカバリールームが6室あり,感染を有する患者にも配慮されている.
(2019年4月現在)
医師:指導医6名,専門医6名,その他スタッフ7名,研修医(後期研修医)11名
看護師:22名(内視鏡技師13名)
看護アシスタント:1名
臨床工学技士:7名(同 3名)
洗浄消毒員:7名
事務職:5名
(2019年4月現在)

(2018年1月~2018年12月まで)

初期研修医1年目は,消化器内科研修を選択し,内視鏡実習の希望がある者には内視鏡モデルで練習を行い,指導医が実技試験にて可能と判断したのちに入院中の担当患者に可能な範囲内で内視鏡検査を行っている.2年目には内視鏡実技研修を選択できるようになっており,指導医の監督の下に外来患者の検査も担当している.内視鏡モデルについては,現在使用しているものよりさらに人体に近い『MICOTOテクノロジー』の『mikoto medical simulator』を購入予定である.
後期研修医では,まず上部内視鏡検査を2カ月間十分研修したのちに,6月頃から下部消化管内視鏡検査の研修を並行して始めている.治療内視鏡は,まず止血治療から開始し,習熟度に応じて指導医のもとでポリペクトミーなども開始し,EVL,EIS,ESDなども卒後5年目までには行えるようにしている.
胆膵検査に関しては,後期研修医1年目は見学をしたのちに介助者として検査に参加している.従来であれば2年目になって内視鏡挿入及び処置後乳頭の挿管から開始し,胆道ドレナージ・截石治療に十分習熟したのちに,未処置乳頭の挿管,ESTなどの治療を開始するようにしている.
カンファレンスについては,上下部内視鏡のカンファレンスを毎週火曜日の夕方に行っている.後期研修医が行った内視鏡検査は担当の指導医がすべて確認を行い,診断や治療方針の確認が必要な症例やESDの治療前及び治療後の症例提示を行っている.胆膵のカンファレンスは火曜日の就業前に外科と合同で行っており,NACを含めた手術適応の相談や術後報告,手術適応外症例の治療方針についてディスカッションを行っている.
1)当院は付属施設(総合保健管理センター,2019年6月から予防医療プラザとして新設)での人間ドックの内視鏡検診も行っており,その増加に伴い内視鏡検査医の確保が急務となっている.
2)今までは後期研修医2年目に行っていた研修が新専門医制度のため他院で行うようになるため,3年目に戻ってきてから習熟度を確認し開始する必要があり,2年目の研修病院次第で習熟度に差が出てくる可能性がある.
3)救急疾患を多く受け入れているため緊急の処置が非常に多く,慢性的なマンパワー不足となっている.
4)今後は『働き方改革』の問題も同時に発生するため,今まで以上に効率的な人員配置を行うなどの組織内改革が必要となってくる.