日本消化器内視鏡学会雑誌
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内視鏡室の紹介
山梨大学医学部附属病院 光学医療診療部
責任者:佐藤 公  〒409-3898 山梨県中央市下河東1110
山口 達也
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2019 年 61 巻 11 号 p. 2531-2533

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概要

沿革・特徴など

本院は,1983年に山梨医科大学医学部附属病院として創設された山梨県唯一の特定機能病院である.2002年10月1日に旧山梨大学と旧山梨医科大学を統合して新「山梨大学」が設立されたため山梨大学医学部附属病院と名称が変更された.また,本院は「地域がん診療連携拠点病院」などの指定を受けており,各科の壁を越えた集約的治療体制を整えている.

光学診療部は1983年の山梨医科大学附属病院の開院に合わせて診療を開始した.開設当時,最先端であった超音波内視鏡の開発にも参加し,いち早く臨床へと導入している.また,1990年には大規模病院の実用システムとしては世界初となる第一世代内視鏡画像デジタル管理システムが導入された.この際には従来のファイバースコープに代わって,電子スコープが導入されて内視鏡設備が一新された.1997年には,内視鏡専用サーバー,内視鏡室および複数のカンファレンスルームや医局に設置された端末を専用回線で結ぶ,第二次世代内視鏡画像デジタル管理システムが導入され,内視鏡画像の患者さんへの説明,教育への活用,学会等の場面においてオンラインで画像の利用が可能となった.その後,内視鏡室にサーバーを設置・管理する運用方法から病院医療情報部での中央管理へと移行し,現在ではより安定的な内視鏡データの運用が可能になっている.

組織

開院当初は中央検査部門の内視鏡室として診療を開始したが,光学医療診療部設置の全国的な流れを受けて2012年に光学医療診療部と名称を変更し中央診療部門の一つとして独立した組織となった.光学診療部には専従の医師はおらず,業務には消化器内科医が中心となり消化器外科,呼吸器内科の医師が診療にあたっている.看護師も専従の者はおらず,日中は外来部門の看護師が,時間外には救急部の看護師が業務を行っている.

検査室レイアウト

 

 

 

当内視鏡室の特徴

2001年に特殊診療棟の完成に伴い,内視鏡室も2階の中央検査部から病院3階に移転した.通常の検査,治療は6つの内視鏡検査室で行っているが,透視が必要な検査,治療は1階にある放射線部のX線透視室を使用している.また,ICUには内視鏡光源とデータサーバーにつながる端末があり,移動できない患者にもベッドサイドで内視鏡検査を行うことができる.

2010年からは細菌検査室の協力を得て内視鏡機器や室内環境を対象とした監視培養を実施し,また2013年からはICタグを用いた内視鏡の洗浄・消毒履歴管理システムを導入している.これにより従来以上に厳密な感染管理が可能となっている.

スタッフ

(2019年4月現在)

医   師:指導医6名,専門医17名,その他スタッフ9名,研修医など2~6名

内視鏡技師:Ⅰ種1名

看 護 師:常勤6名

事 務 職:2名

そ の 他:3名

設備・備品

(2019年5月現在)

 

 

実績

(2018年4月~2019年3月まで)

 

 

指導体制,指導方針

指導体制・方針は各診療科によって異なるので,ここでは消化器内科で行われていることを述べる.

研修医は上級医のマンツーマン指導のもと,入院担当患者の病棟管理から検査や治療の介助を行う.初期研修医はローテーションで当科を回る期間が1~1.5カ月と短く,自分で内視鏡検査を行うまで至らないことが多いが,バーチャルリアリティ気管支・消化器内視鏡トレーニングシミュレータであるアキュタッチ(AccuTouch®)をはじめとする種々のシミュレータを使用し,内視鏡操作や治療の練習をすることが可能である.後期研修医は専門医の指導のもと上部消化管内視鏡検査から開始し,スコープ操作に慣れたところで下部消化管内視鏡検査を行い,卒後3年目の終了時点では上下内視鏡検査や止血などの簡単な処置が指導医の下で行えるようになることを目標とする.

毎週,診療科内でのカンファレンスがあり,ESDから大腸ポリープのEMRまで予定の処置を行う症例はすべて事前にチェックする体制になっている.この時に担当医は内視鏡や造影検査などの結果をまとめ術前診断を提示することで診断能力を向上させている.内科,外科,病理の合同カンファレンスを月に2回行い,治療方針の検討や術前診断と病理結果の比較検討を行っている.

現状の問題点と今後

年々内視鏡検査・治療の総数が増加しているが,この中でも治療目的の内視鏡比率が上がってきており,全体の約16%を占めるようになった.特に消化管癌や胆膵系に関連した内視鏡手技の増加が顕著であり,医師やコメディカルのマンパワー不足が一番の問題である.また,検査数の増加に伴い内視鏡室が手狭となりリカバリースペースや前処置のスペースが不足していることも問題である.他にはX線透視室が内視鏡室から離れており,他科と共用で使用しているため,予定の調整が必要となることにも余計な労力を費やしている.

当院は1983年の開院後30年以上が経過し,従来からの診療施設は老朽化し,限られたスペース内へ新しい診療機能を増設してきた結果,すべての機能において狭隘化が進んでいる.これらを解決するために病院再整備事業が進行中で,2015年に新病棟Ⅰ期棟が完成した.2018年に新病棟Ⅱ期棟の建設が始まり,光学診療部も2021年に移転する予定である.移転後は現在の2倍以上の面積となり,8室の内視鏡検査室(うち2室がX線透視室),十分なリカバリーと前処置のスペースを確保しているが,広くなる半面,スタッフの動線が長くなること,患者に目が届きにくくなることが懸念され,これらを解決しつつ将来の高度な医療の基準を満たすべく新内視鏡室を設計している.

 
© 2019 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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