日本消化器内視鏡学会雑誌
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内視鏡室の紹介
磐田市立総合病院
責任者:山田貴教(消化器内科部長兼消化器内視鏡室長)  〒438-8550 静岡県磐田市大久保512番地3
山田 貴教
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2019 年 61 巻 7 号 p. 1473-1475

詳細

概要

沿革・特徴など

当院は,昭和21年陸軍病院を継承して,国民健康保険組合磐田病院として開設されたのが始まりであり,昭和27年市立磐田病院となった.その後,増改築を進めながら,診療科目,病床数を増加し,昭和58年に磐田市立総合病院に名称を変更したが,不十分な敷地と建物の老朽化が目立つようになり,地域の需要に質・量ともに応じるため,平成10年現在の地に移転し,病床数500床の総合病院として開院した.その後も,増改築を行いながら,診療科を増やし,平成30年12月現在,標榜診療科34科を擁している.また,地域の中核病院として,臨床研修病院,救命救急センター,地域周産期母子医療センター,がん診療連携拠点病院などの指定に加え,ブラジルをはじめとした外国籍住民が多い地域である背景もあり,通訳体制を整え,平成28年には外国人患者受入れ拠点の認定も受け,国際化へも対応している.

消化器内視鏡室は,平成10年の移転当時,本館2階の内科外来に近接して配置されていたが,内視鏡検査・治療件数の増加に伴い手狭となり,平成25年3月に現在の病院本館1階北東に改装・移転した.

組織

消化器内視鏡室は外来の一部門として位置づけられている.看護師,事務補助は放射線科所属であり,他の画像診断業務と兼任,検査技師は臨床検査科所属であり,他の臨床検査業務と兼任している.消化器内視鏡室での検査・治療は消化器内科と肝臓内科の医師が携わっており,消化器内視鏡室室長は消化器内科部長が兼任している.

検査室レイアウト

 

 

 

当内視鏡室の特徴

消化器内視鏡室は病院本館1階北東に位置した206.65m2のスペースであり,他の放射線診断部門と隣接している.消化器内視鏡室内には2部屋の内視鏡検査室と1部屋の内視鏡TV室,洗浄室,更衣室,トイレ,前処置スペースなどがある.近接した放射線診断部門にも内視鏡TV室が消化器内科専用で1部屋,さらに他科と併用で2部屋あり,透視下の内視鏡検査は比較的行いやすい環境である.

画像管理システムは現在,R-Tech社のものを使用しているが,平成31年度より日本光電社のものに変更し,JEDへの対応を予定している.すべての内視鏡システムでDVD録画が可能であり,高リスクの処置については録画し,検証を行える体制としている.

内視鏡を介する感染対策として,内視鏡洗浄担当スタッフの洗浄手技に関する相互評価と無作為に抽出した内視鏡の培養検査を定期的に実施している.近年,需要の多い鎮静下内視鏡検査については全例でラムゼイスコアと麻酔回復スコアで評価,医師と看護師間で共有し,安全に努めている.

スタッフ

(平成30年12月現在)

医師:消化器内視鏡学会 指導医2名,消化器内視鏡学会 専門医7名,その他スタッフ5名

内視鏡技師:Ⅰ種12名

看護師:常勤14名,非常勤3名

事務職:3名

設備・備品

(平成30年12月現在)

 

 

実績

(平成29年4月~平成30年3月まで)

 

 

指導体制,指導方針

初期研修医は1〜2カ月の消化器内科ローテーションの間,マンツーマンの指導医のもと同指導医の受け持ち入院患者の診療に関わり,内視鏡検査についても担当患者を中心に検査・治療を見学し,上級医の指導のもと可能な範囲で介助など積極的に参加するよう指導している.週一回の症例検討会(カンファレンス)では,担当患者のプレゼンテーションを行うことで経験症例の知識を整理,深め,担当していない入院患者についても,一般的な知識を得られる機会を設けている.また,内視鏡トレーニングモデルを用いた指導も希望者には適宜実施している.

専攻医(後期研修医)は個人の能力,熟達度にもよるが,6〜12カ月は上級医の指導のもと上部内視鏡検査を行う.上部内視鏡検査の習熟度により,下部消化管内視鏡検査やERCPを上級医の指導のもと施行するようになるが,当院は若手医師が内視鏡検査・治療を担当する症例も多く,個人差はあるものの,多くの専攻医でその習熟は早いと思われる.また,内視鏡検査・治療の経験のみならず,最新の知見に触れ,吟味し,自らの知識とする力,更にはリサーチマインドを醸成する目的で,若手医師対象の抄読会を開催している.

若手内視鏡医には当院での研修後,他施設でも活躍してもらうことを念頭に,内向きの研修にならないよう,他施設や学会主催のハンズオンセミナー,海外学会を含めた学会への参加,ハイボリュームセンターの施設見学などを積極的に促し,その結果,国内学会での若手奨励賞の獲得,海外学会での発表,論文掲載などの成果も出ている.

現状の問題点と今後

現状,1日平均10件の下部消化管内視鏡検査を行っているが,消化器内視鏡室内に設置されている内視鏡検査前処置用のトイレが3室のため,利用者には多大なる不便を強いている状況である.6室への増加を予定し,予算申請を済ませている.また,消化器内視鏡室内にリカバリーを有しておらず,鎮静下内視鏡検査後は病院本館2階の内科処置室で経過観察を行っていることから,鎮静下内視鏡検査の件数を増やすことができずに,十分には需要に応えられていない.内視鏡検査専用のリカバリールームの設置を病院と交渉している.

看護スタッフは放射線科所属であり,血管造影検査をはじめ他科の画像検査にも従事しているため,内視鏡検査に必要な数の看護スタッフの確保ができない状況や内視鏡処置の習熟に時間を要す場合もあり,内視鏡室専属の看護スタッフの確保が必要と考えている.

先進的で安全な内視鏡医療を提供することで,地域の健康のみならず,若手育成や世界に向けた情報発信も担える消化器内視鏡室を目指し,スタッフが気持ちよく成長できる環境の整備に努めている.

 
© 2019 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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