日本消化器内視鏡学会雑誌
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総説
人工知能(AI)を活用した胃癌診療の未来像
平澤 俊明 多田 智裕藤崎 順子
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2020 年 62 巻 12 号 p. 3031-3040

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抄録

人工知能(AI)を用いた画像認識は,機械学習とディープラーニングという革新的技術により飛躍的に発展した.現在は,画像認識ではAIが人間の能力を超えたと言われている.胃癌診療でもAIによる内視鏡観察部位診断,H. pylori感染診断,胃癌の存在診断・質的診断の研究が進められおり,医師と同等レベルの精度が報告されている.さらに人間の能力を超えるようなAIも出現してくるであろう.しかし,医療AIは既存の医療機器とは異なる問題点もあり,臨床現場の導入までには大きなハードルが存在する.また,現時点の医療AIは「医師の仕事の効率を上げる情報を提示する支援ツール」としての位置づけであり,最終診断は医師が行うとされている.

近未来の医療現場では医師のサポートツールとして当たり前のようにAIが導入され,医療の質が向上すると期待される.

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© 2020 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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