日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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総説
消化器内視鏡領域における人工知能診断支援の現状と今後の課題
森 悠一 工藤 進英三澤 将史
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2020 年 62 巻 3 号 p. 311-329

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抄録

飛躍的なテクノロジーの進化に伴い,内視鏡医が取得する画像の質・データ量は格段に向上している.しかし,求められる診断技術のハードルも同時に向上しており,高精度の内視鏡診断が一部のエキスパート医師に限られているのも事実である.このような先端機器と医療技術のギャップを解決し,「いつでも,だれでも」高パフォーマンスな内視鏡診断を提供できる環境を作ることを目的として,人工知能(AI)を用いたコンピュータ診断支援システムの研究開発がにわかに注目を浴びており,本邦でも2019年3月から内視鏡AIの一部製品の市販が始まっている.本稿では,食道・胃・大腸の臓器別に内視鏡AIの研究状況を概観すると共に,内視鏡AIが直面している課題および,薬事承認の状況についても紹介し,今後の診療現場に内視鏡AIがどのような影響を与えうるのか,考察していきたい.

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© 2020 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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