日本消化器内視鏡学会雑誌
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内視鏡室の紹介
産業医科大学病院 内視鏡部
責任者:芳川一郎(内視鏡部部長)  〒807-8556 福岡県北九州市八幡西区医生ヶ丘1番1号
芳川 一郎
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2020 年 62 巻 5 号 p. 609-611

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概要

沿革・特徴

1978年(昭和53年) 産業医科大学開設.

1979年(昭和54年) 産業医科大学病院開院.

2001年(平成13年) 中央臨床検査部内視鏡室が内視鏡部となる.

組織

・中央診療施設の一部門として内視鏡部は独立している.

・消化管内科,肝胆膵内科,消化器・内分泌外科,呼吸器内科,呼吸器・胸部外科,耳鼻咽喉科・頭頸部外科の医師が合同で内視鏡検査・治療を行っている.

・内視鏡を行っているすべての診療科,内視鏡部,看護部より成る内視鏡部運営委員会を組織している.

検査室レイアウト

 

 

 

当内視鏡部の特徴

・検査室5室,洗浄室,診察室,処置室,患者更衣室,検査用専用トイレ,リカバリー室,カンファレンス室,医師更衣室,スタッフ室より成り,総面積は354.67m2である.レントゲン透視が必要な内視鏡検査は,放射線部検査室で行っている.

・検査事故防止,安全の向上のため,2019年より全内視鏡検査においてタイムアウト制を導入し,また医療安全と修理費抑制のため定期的に内視鏡機器取扱い講習会を開催している.

・感染防止のため,マウスピースも含め処置具等は,可能な限りディスポーザブル製品を使用している.

・専任洗浄スタッフが2名おり,洗浄記録を管理している.消毒にはフタラールを使用しており,健康被害防止のため,洗浄室は強制換気を行っている.2019年には当大学産業保健学部作業環境計測制御学教室により洗浄室内のフタラール濃度を測定し,さらなる環境改善に努めている.

・内視鏡情報管理システムは,富士フイルムメディカル社のNEXUSを使用している.静止画に加えて動画の記録も行っている.院内全電子カルテ端末で内視鏡画像を閲覧できる.

スタッフ

(2019年12月現在)

医師:指導医5名,専門医7名,その他のスタッフ22名

看護師:常勤7名

看護助手:2名

設備・備品

(2019年12月現在)

 

 

実績

(2018年4月~2019年3月まで)

 

 

指導体制,指導方針

消化器内視鏡検査研修を希望する場合はまず上部消化管内視鏡検査研修を以下の要領で行っている.1)上部消化管内視鏡についてのテキストおよび日本消化器内視鏡学会の消化器内視鏡ガイドラインにより十分な知識を習得する.2)内視鏡カンファレンスに参加する.3)日本消化器内視鏡学会専門医・指導医(以下指導医師)の行う検査を見学し,検査の介助を行う.4)模型を用いてスコープの操作実習を行う.5)指導医師の観察・撮影後に交代して指導医師の監督下にスコープの抜去を行う.6)指導医師がスコープを食道に挿入後交代して指導医師の監督下に観察・撮影を行う.7)指導医師の監督下に,挿入・観察・撮影を行う.8)指導医師の許可を得るまでは単独では検査を施行せず,指導医師の監督下に施行する.

上部消化管内視鏡検査を単独で施行可能であると指導医師が認めた後大腸内視鏡検査の研修を開始している.EUS,ERCP,止血術,EMR,EVL,EIS等については,上部消化管内視鏡検査および大腸内視鏡検査が単独で施行可能と指導医師が認めた後研修を開始している.すでに他病院等で内視鏡検査の経験を有している場合は指導医師が個別に判断して適切な方法で研修を継続している.

毎週内視鏡カンファレンスを実施しており,病理結果は全例レビューを行い,指導を受ける体制としている.毎月消化管キャンサーボードを実施している.消化管腫瘍患者の治療方針等について,消化器内科,消化器外科,放射線科,病理部,内視鏡部医師が合同で検討している.また2カ月に1回,消化器内科,消化器外科,放射線科,病理部,内視鏡部医師が合同で消化管疾患患者の放射線,内視鏡画像の読影,病理との対比を行い,診断および治療精度の向上を目指している.

課題と今後の展望

内視鏡部の大きな課題はコメディカルの人員配置である.検査や高度な治療内視鏡が年々増加していることに加えて,大腸内視鏡の前処置や検査前の問診,服用薬の確認等業務内容の増加のため人員増が望まれる.内視鏡技師を育成しているが,院内の配置転換のため現在は不在となっている.看護師が内視鏡技師の資格を取得しても,すぐに異動することが多く経験豊かな有資格者が増えない.また臨床工学士についても病院全体で不足しているため,内視鏡業務にまで十分関与できないのが実情である.

X線透視が必要な小腸バルーンや胆膵系内視鏡が増加している.X線透視室が内視鏡部より離れているため,医師,看護師や機器の移動等で効率が低下しており,解決困難な構造上の問題もある.

今後も限られた人員の中で医師・コメディカルが協調して安全かつ質の高い内視鏡診療を目指し,設備や機器の更新,スタッフの配置や増員にも取り組んでいきたい.

 
© 2020 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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