日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
最新文献紹介
粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫に対する免疫調節薬治療
中村 昌太郎
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2021 年 63 巻 3 号 p. 338

詳細
抄録

【抄録】粘膜関連リンパ組織(mucosa-associated lymphoid tissue;MALT)リンパ腫の病態は,T細胞シグナル,辺縁帯B細胞の慢性抗原刺激およびnuclear factor-kappa B(NF-κB)シグナル経路の活性化に依存したリンパ腫細胞による動的過程として特徴づけられる.この概念は,慢性Helicobacter pylori関連胃炎と特異的T細胞による持続する自己抗原刺激に基づく胃MALTリンパ腫発生との強力な病因的関係に基づく.しかし,胃外のリンパ腫発生においては,別の病原微生物感染や自己免疫性疾患が病因となる可能性がある.このようなMALTリンパ腫細胞の腫瘍微小環境依存性を考慮すると,本症に対しては免疫調節薬が治療戦略として適していると考えられる.近年,免疫調節薬IMiDsであるサリドマイド(thalidomide),レナリドマイド(lenalidomide),マクロライド系抗菌薬などを含む薬剤の治療効果が評価されている.本稿の目的は,MALTリンパ腫に対する免疫調節薬治療の理論的根拠および本症患者に対する免疫調節薬治療と非化学療法治療の現況について考察することである.

著者関連情報
© 2021 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top