日本消化器内視鏡学会雑誌
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資料
早期胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剝離術後の再出血
橋本 陽八田 和久辻 陽介由雄 敏之籔内 洋平布袋屋 修土山 寿志永見 康明引地 拓人 小林 雅邦森田 圭紀住吉 徹哉井口 幹崇富田 英臣井上 拓也三上 達也波佐谷 兼慶西川 潤松村 倫明根引 浩子中松 大大仁田 賢鈴木 晴久上山 浩也林 義人杉本 光繁藤城 光弘正宗 淳大平 弘正
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2022 年 64 巻 11 号 p. 2421-2433

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抄録

【目的】早期胃癌に対するESDにおいて,術後出血は主要な有害事象である.術後出血の止血後,再出血を経験する患者もいるが,その詳細は不明である.われわれは,再出血の頻度とリスク因子を明らかにすることを目的とした.

【方法】2013年から2016年に日本国内33施設で早期胃癌に対するESDを施行された患者11,452症例のうち,術後出血を来した489症例について解析した.まず再出血の頻度を調査した.その後,15の共変量について,ロジスティック回帰分析により再出血のリスクへの影響を評価した.

【結果】再出血は解析患者の11.2%(55/489)で認められた.多変量解析では,ワルファリン[オッズ比(OR),2.71;95%信頼区間(CI),1.26-5.84]と40mmを超える切除標本径(OR,1.99;95%CI,1.08-3.67)が再出血の独立したリスク因子であった.初回術後出血後のワルファリンの対応別の解析では,ワルファリン非服用者と比較して,ワルファリン休薬(OR,3.66;95%CI,1.37-9.78)のみが再出血と有意に関連していた.しかし,再出血の多く(75.0%)が,ワルファリン再開後に発生していた.また,再出血率は,ワルファリン休薬時が6.1%,ワルファリン服用時(継続または再開時)が20.0%であった.

【結論】早期胃癌に対するESD後に術後出血を来した患者において,再出血は稀ではなかった.切除標本径が40mmを超えた場合,および,ワルファリンが再出血のリスク因子であり,特にワルファリンを休薬した症例で再開後の時期が,ワルファリン服用を継続した症例と同様に高リスクであった.

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© 2022 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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