症例は76歳,男性.食道胃接合部癌に対し食道亜全摘術および胃管再建術を施行された.術後7日目に嚥下障害がみられ,各種検査により吻合部の完全閉塞と診断した.対側の食道粘膜を巻き込むように縫合したことが原因と考えられ,口側および胃側からの内視鏡的アプローチ(ランデブー内視鏡法)を試みる方針とした.全身麻酔下に手術時の腹部創より胃管を小切開して胃側内視鏡の挿入経路を確保した.完全閉塞部は各々の内視鏡の透過光が対側の内視鏡で確認された.ESDナイフ(Hook knife-J)で閉塞部を切開後,ガイドワイヤを挿入し,バルーンカテーテルで拡張術を行い,偶発症はなく終了した.
術後食道完全閉塞に対してはランデブー内視鏡法により外科的再吻合術を回避し得る可能性がある.