2024 年 66 巻 3 号 p. 355-357
東京医科大学八王子医療センターは,1980年(昭和55年)4月に八王子市からの誘致にて開院し,八王子市の人口約58万人を含む南多摩医療圏約144万人の中核病院として,「先進医療」と「地域医療」の機能を併せ持つ医療機関である.当院の理念は,「人間愛に基づいて,患者さんに寄り添った優しい医療を実践します」であり,「救急医療」,「移植医療」,「がん治療」を柱とし,研修医教育にも注力している.標榜診療科数36科,許可病床数610床の総合病院としてあらゆる疾患への対応と効率的な医療システムの運用を心掛けており,三次救命救急センター,地域災害拠点病院,がん診療連携拠点病院,臓器移植医療拠点病院,感染症指定医療機関,地域医療支援病院の指定を受けている.内視鏡部は1991年(平成3年)に新たに独立した部署として設立された.
1980年(昭和55年)4月 開院
1991年(平成3年)3月 内視鏡部設立
許可病床数(2023年(令和5年)4月1日現在) 610床(一般病棟602床,感染症病床8床)
職員数(2023年(令和5年)4月1日現在) 1,405名(医師339名:非常勤を含む)
組織内視鏡部は診療部における中央診療部門の一部署に位置づけられ,独立している.
検査室レイアウト

(2024年1月現在)
医師:消化器内視鏡学会 指導医1名,消化器内視鏡学会 専門医11名,その他スタッフ6名
非常勤を含む

内視鏡部スタッフ
(2024年1月現在)

(2022年4月~2023年3月まで)

東京医科大学八王子医療センターは,日本消化器内視鏡学会の指導施設に認定されている.初期臨床研修を終了した専攻医は,豊富な臨床経験を有する消化器内視鏡指導医や専門医の下,消化器内視鏡専門医制度研修カリキュラムに準じて,消化器内視鏡診療に必要な知識と技術を修得することを目標としている.上部消化管内視鏡,大腸内視鏡,内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP),超音波内視鏡(EUS)などの検査や治療の基本手技を段階的に経験し,技術を修得していく.消化器内視鏡専門医は,基本領域の専門医としての能力を有するとともに,消化管・肝臓・胆道・膵臓領域の幅広い知識と技術を有する必要がある.消化器内視鏡専門医レベルの医師は積極的に内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)やERCP,EUSなどの難易度の高い治療手技を経験し,技術の向上に努める.安全な内視鏡診療を心掛け,1例1例の診療を大切に研修・修得することが重要であり,感染症や偶発症対策に関しても日常診療の中で指導している.また,日々の内視鏡診療の中から得られた知見を学会発表や論文化することも指導している.初期臨床研修医は,上部消化管内視鏡検査の操作方法に関する座学を年1回受講し,各疾患における内視鏡検査の意義や適応,治療方針などを実臨床を通じて研修する.
2023年度は消化器内科常勤医11名と非常勤医,看護師の協力により通常の消化器内視鏡診療を行っている.近年,胆膵内視鏡・経皮関連手技件数が年間約1,000件に増加しており,早期がんに対するESDの件数も年々増加傾向にある.働き方改革による医師の長時間労働の短縮が推進されることとなり,時間外労働の制限が努力目標とされている.緊急対応や長時間の内視鏡診療を行うことが多い当科では医師のみならず看護師を含むすべてのスタッフの時間調整をする必要があり,安全かつ効率的な内視鏡診療を行うためにはどうするべきか,各スタッフの意見を伺い,解決策を日々模索しているのが現状である.今後も消化器内視鏡診療を通じて,大学附属病院の役割である診療・教育・研究の向上と地域医療に貢献できるようスタッフ一同精進する所存である.専攻医を含む若手医師のスタッフを随時募集しているため,ご興味のある方はお気軽にご連絡をいただきたい.