日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
内視鏡室の紹介
愛知医科大学病院
責任者:春日井邦夫(消化管内科・教授)  〒480-1195 愛知県長久手市岩作雁又1番地1
小笠原 尚高 春日井 邦夫
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2024 年 66 巻 3 号 p. 358-360

詳細

概要

沿革・特徴

愛知医科大学病院は,1972年に開校した愛知医科大学の附属病院として1974年に開院した.2014年5月に新病院(900床)が開院し,31の診療科と24の中央診療部から構成されている.また,地域がん診療連携拠点病院,がんゲノム医療連携病院にも選定されており,1日外来患者数(2021年度平均)2,574.6人,1日入院患者数(2021年度平均)711.1人である.内視鏡センターは,2005年7月に旧病院に開設され,2014年5月の新病院開院とともに移設された.

組織

内視鏡センターは中央診療部門に所属しており,主に消化管内科,肝胆膵内科,呼吸器・アレルギー内科の医師が検査・治療を行っている.看護師は病棟に所属しており,病棟の業務と併せて担当している.内視鏡洗浄業務は,外部委託業者が担当している.臨床工学技士の専任は常駐しておらず,必要に応じてサポートを受けている.

検査室レイアウト

 

 

 

当内視鏡室の特徴

総面積は660平米で,検査室6部屋,透視室2部屋からなる.うち2室は,陰圧換気装置を備えている.患者動線と内視鏡機材が交差しないようレイアウトされており,外来患者と入院患者の動線も分離されている.さらに,前処置室,更衣室,車イス対応ウォシュレット付きトイレ,シャワールームなども整備されており,患者プライバシーの保護と快適性の向上に努めた設計となっている.各検査室には,酸素・二酸化炭素・吸引が天井から中央配管されている.カンファレンスルームには,大型モニター3台が設置されており,全検査室の内視鏡映像,室内映像がリアルタイムに把握できるとともに全症例が録画記録されており,教育や研究に活用されている.また,当院の高度救命救急センター内にも内視鏡装置を配備し24時間体制で緊急内視鏡検査に対応している.さらに,地域医療連携システムを基盤として実地医家や近隣病院のニーズに対応可能な迅速かつ正確な内視鏡診断・治療を推進していくために,内視鏡のダイレクト予約システムと所見の即時配信システムを構築している.

スタッフ

(2023年5月現在)

医師:消化器内視鏡学会 指導医6名,消化器内視鏡学会 専門医15名,その他スタッフ17名

内視鏡技師:Ⅰ種2名

 

消化管内科医師と内視鏡センター看護師

設備・備品

(2023年5月現在)

 

 

実績

(2022年4月~2023年3月まで)

 

 

指導体制,指導方針

初期研修医は,消化管内科研修の一環として内視鏡の基本研修を行っている.スコープの構造と取り扱いを学び,内視鏡の準備と後片付け,洗浄・消毒などや生検,色素散布,ポリペクトミー・内視鏡的粘膜切除術(EMR)・内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD),止血術などの介助のほか,画像の読影と診断,模型を使った内視鏡挿入トレーニングなども行っている.消化管内科の後期研修医は,2023年度11名である.指導医のもと,上部消化管内視鏡検査を行い,内規試験に合格すると下部消化管内視鏡検査を行うことができる.下部消化管内視鏡検査では,脾彎曲までの到達15分以内,肝彎曲までの到達20分以内と規定されており,規定時間を超過した場合は,指導医と交代することとなっている.2年間で,超音波内視鏡検査(EUS)や内視鏡的逆行性膵胆管造影法(ERCP),ESDまでを段階的に従事してもらうようにカリキュラムが設定されてる.ESDではマーキングから開始し,スコープ操作が安定していると判断されれば局注から粘膜切開までを行うが,スコープ操作が困難となった時点で指導医に交代する.夜間,休日での緊急内視鏡は,消化管内科当直医1名と待機医師2名の3名体制で行うが,後期研修医は,当直あるいは待機のシフトに入るため,日中の緊急止血などを積極的に行ってもらうとともに,トラブルシューティングなども含めしっかりと上級医が指導している.夜間,休日での緊急内視鏡を後期研修医のみで行うことはなく,3名体制の中に必ず上級医1名以上が含まれるようになっている.消化管内科カンファレンスや消化器外科との合同カンファレンスでは,手術症例や重要症例の検討が行われている.学外での研究会,勉強会などにも積極的に参加し,多くの症例を経験することにより幅広い知識が修得できるよう配慮するとともに,医局員全員が内視鏡専門医を取得できるように指導している.また,国内学会のみならず国際学会にも積極的な参加・発表を推進し,論文作成に至るまで丁寧な指導を行っている.

現状の問題点と今後

地域医療の中核的施設として高度で専門的な医療の提供と内視鏡医を育成することが必須であるが,内視鏡検査や内視鏡治療など高度な内視鏡医療のニーズが年々増加し,高い専門技術を持った消化器内視鏡専門医の増員が望まれる.ESD,小腸内視鏡,EUSなど多種多様化が進んでおり,若手医師のみならず,看護師,技師も含めて手技の詳細のみならずリスクについてチームとしての理解を深めることが必要である.指導医の研鑽も必要であるため,若手医師のみならず指導医も積極的に学会参加や論文投稿を行い,高いモチベーションを維持し常に最新で安全な医療が提供できるよう努めている.内視鏡部の看護師は病棟に属しているが,慢性的な看護師不足が問題となっており,内視鏡センターもその影響を受けている.働き方改革も進められており,より一層効率化した運営を行い,充実した医療が維持できることを目指していきたい.

 
© 2024 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
feedback
Top