日本消化器内視鏡学会雑誌
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総説
炎症性腸疾患と鑑別が必要な感染性腸炎の内視鏡診断
大川 清孝
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2025 年 67 巻 11 号 p. 2289-2298

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抄録

潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis:UC)と鑑別が必要なカンピロバクター腸炎,サルモネラ腸炎の,クローン病(Crohnʼs disease:CD)と鑑別が必要な腸結核とエルシニア腸炎の,UC・CDと鑑別が必要なアメーバ性大腸炎の内視鏡診断ついて述べた.炎症性腸疾患(Inflammatory bowel disease:IBD)と感染性腸炎の鑑別が重要なのは,もし感染性腸炎に免疫抑制薬が投与されると増悪する可能性があるからである.また,感染性腸炎は抗菌薬で治癒する疾患であり,もしIBDと誤診されると,長期に薬物治療を受け続ける可能性がある.誤診を防止するためには,UCやCDと診断した場合には,それぞれに類似した感染性腸炎を把握しておき,必ずそれらを除外する必要がある.診断は内視鏡像で感染性腸炎を疑うことができるかが最も重要である.疑えればそれぞれの感染性腸炎特有の検査を行うことで確定診断に迫ることができるからである.

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© 2025 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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