2025 年 67 巻 11 号 p. 2299-2313
膵臓癌は予後が極めて不良な悪性腫瘍であり,その早期発見は生命予後を改善する上で重要な課題である.本稿では予後を考慮し,前癌病変とされるHigh-grade Pancreatic Intraepithelial Neoplasia及び浸潤径10mm以下膵癌,所謂早期膵癌の診断における画像診断及び内視鏡的診断の有用性について概説した.特に,主膵管狭窄・拡張・口径不同を含む膵管不整,分枝膵管拡張,限局性膵実質萎縮,膵管周囲低エコー所見などの間接画像所見が,明らかな腫瘤を伴わない早期膵癌の拾い上げにおいて有用であること,これらの所見の内視鏡検査(EUSや内視鏡的逆行性膵管造影)での指摘可能性,早期膵癌に対する超音波内視鏡下組織採取と経鼻的膵管ドレナージチューブを用いた膵液細胞診による細胞・病理学的確定診断の可能性など,早期膵癌に対する内視鏡検査の現状と将来展望について概説する.