2025 年 67 巻 2 号 p. 180-182
当院は1914年,結核療養所として誕生して以来,八事日赤の愛称で地域に愛され,本年,創立110周年を迎えた.現在一般病床801床である当院は,名古屋市の中核病院として,救急医療,がん診療などの領域で,急性期,高度専門医療を中心に提供する病院である.
2005年に地域医療支援病院,2008年に地域がん診療連携拠点病院に指定され,2013年には卒後臨床研修評価機構(JCEP)による認定,2015年には地域がん診療連携拠点病院の認定を受けた.
当内視鏡センターは2012年に消化器内科外来に隣接する形で全面的に増改築され,2023年1月には2室ある透視室内部の改築,設備更新を行い,青色LED照明と55インチ大画面モニターを設置した.
日本赤十字社愛知県支部2病院の経営統合に伴い,2021年7月より,当院は名古屋第二赤十字病院から日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院に名称変更した.
組織内視鏡センターは中央検査部門と場所が離れており,内視鏡部門はセンターとして独立している.センター専属の医師はいないが,消化器内科医を中心に内視鏡検査や治療を行い,呼吸器内科医が気管支鏡検査を行っている.
事務職員は専任であるが,看護師は専任と他部門との兼務がおよそ半々,臨床工学士は全員が他部門との兼務で仕事に従事している.看護師と臨床工学士の大半は,内視鏡技師の資格を有して検査に従事している.
総面積 310m2.
当院内視鏡センターの特徴は,第一病棟2階にある消化器内科外来に隣接している点であり,短時間で簡潔に患者,職員の移動を行うことができるように設置されている.
内視鏡室レイアウト

(2024年8月現在)
医師:消化器内視鏡学会 指導医5名,消化器内視鏡学会 専門医4名,その他 専攻医2名を含む5名
内視鏡技師:Ⅰ種8名
看護師:専従5名,他部門との兼務4名
臨床工学士:他部門との兼務5名
事務職員:専任1名

消化器内科スタッフ
(2024年8月現在)

1年間(2023年4月~2024年3月まで)

初期研修医の内視鏡研修は,1年目は上下部内視鏡検査,治療の見学介助を行い,代表的な内視鏡所見を理解するとともに,胃トレーニングモデルを用いて内視鏡操作を習得する.2年目で消化器内科を志望する場合は胃内視鏡の引き抜きを中心に基本的な観察,操作を習得する.ある程度内視鏡操作に慣れた段階で,経口挿入から上部消化管の観察,操作を経験する.年2回行われる院内内視鏡ハンズオンセミナーにも積極的に参加していただいている.
専攻医1年目として消化器内科を選択すると,専門医,指導医のもと上部内視鏡検査を自ら実施できるようにし,病理診断を含めた総合的な内視鏡診断学を習得する.また下部消化管内視鏡や胆膵内視鏡治療の見学・介助を行い適応,手順を理解する.上部消化管内視鏡を50例以上施行した後,下部消化管内視鏡を直腸挿入から始めていく.
専攻医2年目では,下部消化管内視鏡検査および胆膵内視鏡の研修を進めていくが,技量を確認しながら,難易度の低い大腸ポリープ切除や側視鏡挿入もできるようにする.
専攻医3年目以降は,各種内視鏡検査や治療の技術向上を図りつつ内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)や超音波内視鏡を開始し,一通り経験できるようにしている.また専攻医以降は,教育の一環として,日本消化器内視鏡学会の総会,支部例会にて発表,参加することにより知識や経験を得るように指導している.
当院は救急医療を積極的に行っているため,上・下部消化管出血,急性胆管炎等の救急疾患症例が豊富である.その際の緊急内視鏡検査および処置については,日直・当直帯緊急症例の消化器内科内相談システムでの相談や上級医の待機当番体勢を完備し,その指導のもと施行することで,緊急検査の安全確保と施行医の教育に配慮している.
2012年に全面的に増改築され,消化器内科外来と内視鏡センターの移動,検査実施が非常に効率的となった.内視鏡機器もオリンパス社とのVPP契約を導入したことから同社製の最新内視鏡機器を使用できている一方で,富士フイルム社製の機器は購入・更新が遅れており,今後更新予定である.また,リカバリースペースが十分広いとはいえないとともに,看護師をはじめとした専従職員の不足で,需要が高まっている鎮静下内視鏡の件数に制限があり,今後日帰り内視鏡治療を推進するためには,処置室など他部門と連携する必要があると考えている.
また,内視鏡技師認定を有する臨床工学技士が大腸ポリペクトミーやESDを中心とした内視鏡補助業務に従事するようになったものの,看護師不足とともに2024年より本格的に開始された働き方改革による労働時間制限のため,より効率的な内視鏡センターの運用が求められる状況である.
その他,内視鏡センター増改築後はドアにて仕切られた個室で内視鏡を行うため,特に治療内視鏡施行時複数の上級医が室内で指導しにくい問題点があったが,2023年の透視室改築後,内視鏡治療動画の録画装置を整備するとともに,内視鏡医が常駐する内視鏡室記録コーナーに設置された80インチモニターに,2室の治療内視鏡室,2室の透視室を常時映し出す設備を完備した.これにより,複数の上級医が治療内視鏡を監視することができるとともに,録画記録を見直すことができるようになり,内視鏡教育,医療安全上管理に効果をあげている.
近年COVID-19パンデミックの影響で,内視鏡総数も減少傾向であったが2024年は内視鏡総数も増加傾向である.さらなる発展を目指し,当センターが病院経営に大きく貢献していることをより一層アピールしていきたい.