2025 年 67 巻 8 号 p. 1399
【背景】無鎮静下での経口上部消化管内視鏡(EGD)は一般的な手技であるが,咽頭挿入の困難さが,内視鏡の操作性や患者の受容性に影響を及ぼす.呼吸法がこれらに与える影響については十分に検討されていなかった.
【方法】通常径(conventional endoscope:CE)または超細径(ultrathin endoscope:UE)の経口EGDを施行する252例を対象に,口呼吸(oral breathing:OB)または鼻呼吸(nasal breathing:NB)に無作為割付し,操作性・受容性をVASで評価した.使用機種はGIF-H260/H290Z/HQ290/XZ1200/EZ1500(Olympus)およびGIF-XP260NS/XP290N/1200N(Olympus),EG-L580NW7(FUJIFILM)であった.
【結果】咽頭視認性はOB群で有意に良好であり(CE:81.0%,UE:79.3%),挿入操作に関するVASスコアもOB群で有意に低かった.患者受容性スコアに大きな差はなかったが,CEではOB群で腹部膨満感・腹痛のスコアが改善した.UE+OB群は,操作性・受容性の両面で最も良好であった.
【結語】経口EGDにおいて,口呼吸は鼻呼吸に比べて操作性を改善し,とくにUEとの併用でその効果が顕著であった.