2026 年 68 巻 5 号 p. 1068-1073
症例は86歳女性.発熱,下腹部痛を主訴に当院に救急搬送された.腹部単純CT検査で長径28mmの骨盤内膿瘍を認め,膿瘍に接してS状結腸に多発する憩室を認めたためS状結腸憩室穿孔による膿瘍形成と診断した.絶食および抗生剤による保存的加療を行うも改善せず,治療開始7日後に再度腹部造影CT検査を施行したところ,膿瘍の増大を認め,この際に魚骨穿孔が膿瘍形成の原因であることが明らかとなった.発症から期間が経過していることから,穿孔部と膿瘍は癒着していると考え,消化器外科と相談のもと内視鏡的に魚骨を除去した.その後腸管内に膿瘍が排出され炎症は速やかに改善した.