2026 年 68 巻 7 号 p. 1311-1316
82歳男性.6カ月前に他院で内視鏡的採石歴あり.発熱と肝酵素上昇にて当院紹介後,胆管炎の再燃と診断し入院となった.CT,MRIおよび腹部超音波検査でびまん性かつ均一な総胆管壁の肥厚を認めた.IDUSでは,胆管内腔に同心円状で高輝度エコー像を呈する構造物を認めた.胆管壁からの擦過細胞診は陰性,生検組織診では間質へのリンパ球浸潤がみられるのみで悪性所見はなかった.後日の再検でも同様であり,採石用バルーンを用いて排出を試みたところ生存虫体が摘出された.虫体は23mm大で褐色調・木の葉様形態を呈し,虫体の鑑識および血清学的検査で肝蛭虫体と診断した.IDUS像が特徴的で内視鏡的に虫体摘出を行った症例の報告は少なく貴重である.