日本消化器内視鏡学会雑誌
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鎮静下上部消化管内視鏡検査におけるレミマゾラムとミダゾラムの有効性および回復性の比較:日本における多機関共同無作為化比較試験(RECOVER試験)
引地 拓人
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2026 年 68 巻 9 号 p. 1652

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抄録

【目的】消化器内視鏡における鎮静の重要性は年々高まっている.レミマゾラムは超短時間作用型ベンゾジアゼピン系薬剤であり,ミダゾラムと比較して薬物動態学的半減期が短い.本研究の目的は,日本人患者においてレミマゾラムが優れた内視鏡鎮静を提供できるかを検証することである.

【方法】本研究は前向き多機関共同ランダム化単盲検比較試験であり,鎮静下上部消化管内視鏡検査を予定した成人(18~80歳)を対象とした.被験者はレミマゾラム群とミダゾラム群に無作為に割り付けられた.主要評価項目は,内視鏡終了5分後に歩行可能であった患者の割合とした.副次評価項目は,検査前鎮静の成功率(Modified Observer’s Assessment of Alertness/Sedation[MOAA/S]スコア≦4),鎮静達成に必要な薬剤投与量,歩行可能となるまでの時間,有害事象とした.

【結果】2024年10月から2025年1月までに40例が登録された.2例を除外し,38例(レミマゾラム群20例,ミダゾラム群18例)が解析対象となった.内視鏡終了5分後に歩行可能であった割合は,レミマゾラム群85.0%(17/20),ミダゾラム群0%(0/18)であった(p<0.0001).検査終了から歩行可能となるまでの平均時間は,レミマゾラム群4.25分(0~10),ミダゾラム群35.56分(10~60)であった(p<0.0001).検査前鎮静(MOAA/S≦4)の成功率は両群とも100%であった.鎮静達成に必要な平均投与量は,レミマゾラム4.30mg(3.0~7.0),ミダゾラム3.11mg(2.0~5.0)であった(p=0.003).低酸素血症の発生率は,レミマゾラム群5.0%,ミダゾラム群33.3%であった(p=0.038).

【結論】上部消化管内視鏡検査において,レミマゾラムはミダゾラムと比較して著しく速やかな覚醒・回復をもたらし,低酸素血症の発生率も低かった.一方,目標とする鎮静レベルの達成率は両群で同等であった.これらの結果から,レミマゾラムは日本人患者に対する内視鏡鎮静において,有効であり,かつより安全性の高い鎮静薬となる可能性が示された.

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