日本小児血液・がん学会雑誌
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症例報告
胃がんに対する胃全摘後の母より出生したビタミンB12欠乏性巨赤芽球性貧血の乳児例
木川 崇多賀 崇池田 勇八森宗 孝夫丸尾 良浩
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2026 年 63 巻 3 号 p. 261-266

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抄録

8か月の男児.発熱で近医を受診し,汎血球減少を指摘され当院紹介入院となった.WBC 3300/μL,Hb 4.5 g/dL,PLT 2.6万/μLと汎血球減少を認め,骨髄検査で各系統に異形成,特に赤芽球系に巨赤芽球様変化を認めた.血清ビタミンB12が検出限界以下であり,ビタミンB12欠乏性巨赤芽球性貧血と診断した.現病歴や家族歴,生活歴を再聴取したところ,母は5年前に胃がんのため胃全摘術を受けていたが術後ビタミンB12補充はなく,児は完全母乳栄養で離乳食が進んでいないことが判明した.メコバラミンの内服により血球および骨髄の形態異常は改善したが,発達の退行と脳萎縮,てんかんを認めた.胃全摘後の母体由来のビタミンB12欠乏は,児に不可逆的な神経障害をもたらす可能性がある.本症例は,妊娠可能年齢女性への術後のビタミン補充の重要性と,産科・外科・小児科間の連携の必要性を示すものである.

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