日本消化器内視鏡学会雑誌
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胃線状潰瘍瘢痕の長期経過観察
―とくに再発型式と予後推定について―
児玉 健夫
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1979 年 21 巻 4 号 p. 379-391

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抄録
 胃線状瘢痕の長期経過を内視鏡的に観察し,潰瘍再発の様相について検討を行った.さらにその成績をもとにして,線状瘢痕の予後推定の問題について考察を行った. 対象は,過去10年間(1967年~1976年)に内視鏡的にて定期的(4カ月~6カ月毎)に経過が追えた線状瘢痕109例である.その結果,次の結論を得た.(1)線状瘢痕の占居部位は,胃角及びその近辺であった.(2)潰瘍再発を認めた例と認めなかった例があった.(3)潰瘍再発型式は,瘢痕それ自体が潰瘍化する,いわゆる同所性再発は認められず,すべて異所性再発であった.線状瘢痕と新しく再発した潰瘍との位置関係で,隣接端型,隣接中型,近位型,遠位型の4型に類型化できた.(4)潰瘍再発は,同型の潰瘍再発をくり返すという一定のパターンがある.一部少数に再発型の移行が認められる.(5)線状瘢痕の予後推定は,潰瘍を認める例であれば,線状瘢痕と潰瘍の位置関係を,潰瘍を認めない例であれば,瘢痕区域の性状を診断して,再発型のパターンを決定することにより可能である.
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