日本消化器内視鏡学会雑誌
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出血胃潰瘍における潰瘍底の検討
森瀬 公友加藤 義昭加藤 肇兼城 賢明西川 久和恒川 次郎林 伸行石井 正大大舘 俊二矢部 誠太郎桑原 敏真
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1979 年 21 巻 6 号 p. 683-691

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抄録
出血胃潰瘍120例を対象として,緊急内視鏡検査で観察された潰瘍底の性状を,白苔(Belag)および凝血(Coagula)で表現し,1白苔型(B型),II白苔+凝血型(Bc型),III凝血+白苔型(Cb型),IV血型(C型)に分類し,各型における出血,ショックの状態,予後を検討した.再出血は37例に認められ,C型18/19(94.7%),Cb型10/17(58.8%),Bc型7/46(15.2%),B型2/38(5.3%)であった.不可逆ショックは12例に認められたが,C型11/19(57.9%),Cb型1/17(5.8%)であった.緊急手術に至ったものは19例あり,C型16/19(84.2%),Cb型3/17(17.6%)であったが,Bc型,B型には1例もなく,すべて保存的療法で回復した.出血胃潰蕩における潰瘍底の性状と予後には,密接な関係が認められた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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