日本消化器内視鏡学会雑誌
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外科的立場からみたERCの診断的意義とその限界
草間 次郎飯田 太
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1980 年 22 巻 3 号 p. 372-376

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抄録
 内視鏡的胆道造影(ERC)が胆道疾患の手術適応の決定に重要な指標となることは衆知の事実である.著者らは最近2年7ヵ月間に行ったERC104例を検討し,ERCの外科的意義と限界について考察を試みた. ERC成功率は74.0%であり,同期間中に行ったERPの成功率92.9%より低率であった.ERC不成功例27例について不成功の原因を検討したところ,傍乳頭部憩室内への乳頭の落ち込み,Billroth I法による胃切除のための十二指腸下行脚のねじれの存在等が明らかになった.手術施行例43例中,ERCにより胆道疾患の確診のもとに手術を行ったものは34例,ERC不成功のまま手術を行ったものは9例であった.疾患の内訳は胆石症が最も多いが,ERC不成功のまま手術を行った症例はLemmel症候群に最も多く,6例中4例であった.ERC施行前にDICを行ったものは52例であったが,これらの症例の検索により,ERC施行前のDICは胆道疾患のスクリーニングの役割を果しており有意義であることを確認した.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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